東京電力PG管内初の再エネ出力制御 実績速報 ― 制御量184万kW、揚水617万kW動員後もなお余った昼
東京電力パワーグリッドは、管内初となる再エネ出力制御を実施した2026年3月1日の実績速報値を公表した。再エネ出力制御量は184万kW、出力制御期間は11時から16時。揚水617万kWを動員してもなお余った昼の電気の規模を、実数で示すレポートである。
このページの要点
- 東京電力パワーグリッドが、管内初の再エネ出力制御を実施した2026年3月1日の実績速報値を公表。再エネ出力制御量は184万kW、出力制御期間は11時00分〜16時00分(一次資料)。
- 需給状況(速報・万kW)は、エリア需要2,543、揚水運転617、域外送電0、小計3,160、供給力3,344(出力制御前)、(再掲)再エネ出力1,620。
- 揚水617万kWを動員してもなお184万kWを抑制した構図は、既存の揚水だけでは昼間余剰を吸収しきれず、蓄電池の追加調整リソース余地があることを定量的に示す(編集部見立て)。
出典:東京電力パワーグリッド『当社サービスエリアにおける「再生可能エネルギー出力制御」実績(速報値)について』(2026年3月1日)。
「太陽光を止める」という予告に対する、当日の実測結果レポートである。実際に184万kW分の再エネを止めたという数字が、日本最大の需要地・東京エリアで生じた昼間余剰の規模感を初めて具体的に示している。
目次
管内初の再エネ出力制御 実績速報の概要
指示だけでなく、実際に何万kWを止めたのかが速報値として公表された。
東京電力パワーグリッドは2026年3月1日、再生可能エネルギー事業者に対して同社サービスエリア初となる再エネの出力制御を実施し、その実績(速報値)を公表した。再エネ出力制御量は184万kW、出力制御期間は3月1日(日)11時00分〜16時00分、最大余剰電力の発生時刻は12時00分〜12時30分である。
出力制御は、電力広域的運営推進機関の送配電等業務指針に定められた優先給電ルールに基づき、火力発電所の運転抑制や揚水運転による需要創出、地域間連系線を活用した域外送電などの対策を実施してもなお供給力が需要を上回ると判断した場合に、需給バランス維持のために実施される。出力制御の見通しや指示内容は、同社ホームページ「でんき予報」の「再生可能エネルギー出力制御の見通し」に掲載される。
本記事は「実績(速報値)」を扱う。指示・見通しの背景と優先給電ルールの仕組みは別記事で解説している。
制御量184万kWと需給状況の読み方
実績速報の需給状況は、余剰の規模を数値で裏付ける。
図1:需給の内訳と「差=184万kW」の読み方 ― 需要側の小計3,160万kWと出力制御前の供給力3,344万kW
出典:東京電力パワーグリッド『当社サービスエリアにおける「再生可能エネルギー出力制御」実績(速報値)について』(2026年3月1日)。速報値のため確報で更新されうる。
実績速報の需給状況(速報値・万kW)は次のとおりである。供給力3,344万kWは再エネ出力制御を行う前の値であり、実際の供給過剰幅(余剰)が制御量184万kWに相当する点が、数値を読み解く要である。
需要を押し上げる揚水運転617万kWを織り込んでもなお、供給力(出力制御前3,344万kW)が需要側を上回り、184万kWの再エネを抑制する結果となった。速報値のため確報で数値が更新される可能性はあるが、管内初の実績という事実の重みは大きい。
揚水動員後の余剰が示す蓄電池の価値
揚水を尽くしてもなお余る184万kWは、蓄電池が担いうる余地を数値で示す。
図2:揚水617万kWの後に残った「昼の余り」の規模 ― 昼充電ポテンシャルの目安
出典:東京電力パワーグリッド『当社サービスエリアにおける「再生可能エネルギー出力制御」実績(速報値)について』(2026年3月1日)。蓄電池への含意は編集部の見立て。
揚水617万kWを動員してもなお184万kWの再エネを抑制せざるを得なかったという構図は、既存の揚水だけでは昼間余剰を吸収しきれず、蓄電池の追加調整リソース余地があることを定量的に示している。制御量184万kW・時間帯11〜16時は、東京エリアの昼充電ポテンシャルの目安となる規模である。
今後この規模・頻度が拡大すれば、出力制御回避のための蓄電や、スポット昼間低価格でのアービトラージによる収益機会が東京エリアでも本格化する。速報値・以降の出力制御発生実績のフォローは、投資判断の材料になる。
実務チェックリスト
- 蓄電池事業者・アグリゲーターは制御量184万kW・時間帯(11〜16時)を東京エリアの昼充電ポテンシャルの目安として運用計画に反映する。
- 「でんき予報」の出力制御見通しを継続取得し、出力制御日の充電最大化・夕方放電のロジックに組み込む。
- 確報値・以降の出力制御発生実績をフォローし、発生頻度のトレンドを投資判断に活用する。
読者別の緊急度
東京エリアの余剰の実規模を今月中に把握しておきたい。
設計・EMS側は制御量・時間帯を充電設計の前提として確認すべき。
昼間充電ポテンシャルの実数として運用最適化に今押さえるべき。
よくある質問(Q&A)
東京電力PG管内初の再エネ出力制御量はどれくらいでしたか?再エネ出力制御量は184万kW(速報値)です。出力制御期間は2026年3月1日(日)11時00分から16時00分、最大余剰電力の発生時刻は12時00分から12時30分でした。
実績速報の需給状況はどうでしたか?需給状況(速報・万kW)は、エリア需要2,543、揚水運転617、域外送電0、小計3,160、供給力3,344(再エネ出力制御前の値)、(再掲)再エネ出力1,620でした。
供給力3,344万kWとはどの時点の値ですか?再エネ出力制御を行う前の供給力の値です。実際の供給過剰幅(余剰)が制御量184万kWに相当する点が、数値を読み解く要になります。
揚水を動員しても出力制御が必要だったのですか?はい。揚水運転617万kWを動員したうえで、火力抑制・域外送電などの先行措置を実施してもなお供給力が需要を上回り、184万kWの再エネを出力制御せざるを得ませんでした。
この速報値は今後変わりますか?速報値のため、確報で数値が更新される可能性があります。ただし、東京電力PG管内で初の再エネ出力制御実績という事実の重みは大きいと考えられます。
この実績は系統用蓄電池にどう関係しますか?揚水617万kWを動員してもなお184万kWの再エネを抑制せざるを得なかった事実は、既存の揚水だけでは昼間余剰を吸収しきれず、蓄電池の追加調整リソース余地があることを定量的に示します。制御量184万kW・時間帯11〜16時は、東京エリアの昼充電ポテンシャルの目安になります。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 揚水617万kWを動員後もなお184万kWを出力制御した構図は、既存の揚水だけでは昼間余剰を吸収しきれず、蓄電池の追加調整リソース余地があることを示す。
- 供給力3,344万kWは出力制御前の値であり、実際の供給過剰幅(余剰)が制御量184万kWに相当する点が読み解きの要である。
- 速報値のため確報で数値が更新されうるが、管内初の実績という事実の重みは大きい。以降の発生頻度トレンドが投資判断の材料になる。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。
この記事のまとめ
東京電力パワーグリッドは、管内初の再エネ出力制御を実施した2026年3月1日の実績速報値を公表した。再エネ出力制御量は184万kW、出力制御期間は11時〜16時、最大余剰は12時〜12時30分。需給状況(速報)はエリア需要2,543・揚水617・域外送電0・小計3,160・供給力3,344(出力制御前)・再エネ出力1,620万kW。揚水617万kWを動員してもなお184万kWを抑制した構図は、既存の揚水だけでは昼間余剰を吸収しきれず、系統用蓄電池の余剰吸収・アービトラージの余地があることを定量的に裏付ける。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の需給数値・制御量を確認。
出典(一次情報)
- 東京電力パワーグリッド株式会社『当社サービスエリアにおける「再生可能エネルギー出力制御」実績(速報値)について』(2026年3月1日)/でんき予報「再生可能エネルギー出力制御の見通し」
https://www.tepco.co.jp/forecast/output-control.html - 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/04_系統・接続(送配電・系統増強)/東京電力PG/20260301_東京PG_当社サービスエリアにおける「再生可能エネルギー出力制御」実績(速報値)について.pdf
本記事は2026年3月1日公表の一次資料(速報値)のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。数値は速報値であり、確報で更新される可能性があります。
出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/market/standard/4608202001001/
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