需給調整市場への参入手続き全図解 ― 機器個別・低圧リソース導入と機器点計量フローの新設(2026年3月14日施行)
電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場への参入から入札・運用・精算までの全業務フローを定めた取引ガイド別紙『業務フロー』(全70ページ)を2026年3月14日に改定・施行した。機器個別・低圧リソースの導入、機器単位の計量(機器点計量)、派生パターン変更のフローが新たに整理され、より小規模・分散的な蓄電池リソースの参入の道が広がる。
このページの要点
- EPRXが需給調整市場の事前審査・契約締結・入札・運用・精算・リソース削除等の業務フローを商品別・リソース形態別に図解した取引ガイド別紙(全70ページ)を2026年3月14日施行で改定。
- 改定点は4つ。①機器個別・低圧リソース導入に伴う事前審査フロー修正、②入札・運用・精算フロー修正、③派生パターン変更申込フロー追加、④機器点計量申込フロー追加。
- 機器個別・低圧リソースの導入はより小規模・分散的な蓄電池リソースの参入を後押しし、機器点計量フローは機器単位の計量・精算を可能にする実務基盤となる。
出典:EPRX 取引ガイド別紙『業務フロー』(2026年3月14日施行・全70ページ)。
需給調整市場に蓄電池を参入させ、入札・指令対応・精算まで進めるための「公式手続きマニュアルの全図解」である。今回の改定で、小さな機器単位(機器個別)や低圧リソースの参入手順と、機器ごとに計量する新フローが追加された。
目次
- 需給調整市場の業務フロー全体像(参入〜精算)
- 事前審査・性能確認審査・実働試験の手順と様式
- 機器個別・低圧リソース導入と機器点計量・派生パターン変更フローの新設
- よくある質問(Q&A)
- 編集部の見立て(独自分析)
- 出典(一次情報)
需給調整市場の業務フロー全体像 ― 参入から精算まで
取引ガイド別紙は、参入から精算までの一連の業務を商品別・リソース形態別に図解する。
取引ガイド別紙『業務フロー』は、需給調整市場への参入に係る一連の業務を詳細なフロー図で示した資料である。対象業務は事前審査、簡易指令システム工事、専用線オンライン工事、契約締結、入札・運用・精算、リソース削除、派生パターン変更、機器点計量申込にわたる。これらを商品別(一次調整力・二次調整力①②・三次調整力①②・複合約定)かつリソース形態別(単独発電機、発電機リスト・パターン、需要家リスト・パターン、ネガポジリスト・パターン)に網羅している。
参入手続きのリードタイムは、通信回線工事の要否により工事不要で約6ヶ月、簡易指令システムで約13ヶ月、専用線で約15ヶ月が標準とされ、別紙『事前準備が必要な内容』と整合している。蓄電池事業者・アグリゲーターにとって、参入手続きの正確な手順・必要様式・リードタイムを把握する必須の一次資料である。
事前審査・性能確認審査・実働試験の手順と様式
市場参加申込から性能確認審査までは、所定の様式提出と審査で進む。
図1:需給調整市場への参入手続き ― 様式の提出と審査の流れ
出典:一般社団法人 電力需給調整力取引所(EPRX)取引ガイド別紙『業務フロー』(2026年3月14日施行・全70ページ)。
市場参加申込では、様式3(需給調整市場参加申込書)、様式4(取引会員適格誓約書)、様式5(純資産額調書)、様式7(取引関連業務委託申請書)を提出する。市場資格審査を経て、様式6でユーザーID・MMSコードが通知される。続いて性能確認審査(様式10-1-1 応動確認用フォーマット、様式15-1 電源等審査に関わる補足情報等)を行い、試験成績書・稼働実績データで性能を証明できない場合は実働試験を実施する。
市場参加申込では様式3(需給調整市場参加申込書)、様式4(取引会員適格誓約書)、様式5(純資産額調書)、様式7(取引関連業務委託申請書)を提出し、市場資格審査を経て様式6でユーザーID・MMSコードが通知される。性能確認審査(様式10-1-1・様式15-1等)を行い、試験成績書・稼働実績データで性能を証明できない場合は実働試験を実施する。
— EPRX 取引ガイド別紙『業務フロー』機器個別・低圧リソース導入と機器点計量・派生パターン変更フローの新設
今回の改定の核心は、参入対象の裾野を広げる4つのフロー整理である。
図2:2026年3月14日施行改定の4点 ― 機器個別・低圧リソースと機器点計量
出典:一般社団法人 電力需給調整力取引所(EPRX)取引ガイド別紙『業務フロー』(2026年3月14日施行)。
2026年3月14日施行の改定では、次の4点が行われた。機器個別・低圧リソースの導入と機器点計量フローの新設は、分散・小規模な蓄電池リソースの参入と機器単位の計量・精算を可能にし、参入対象の裾野を広げる。
改定①
機器個別・低圧リソース導入に伴う事前審査フローの修正。
改定②
機器個別リソース導入に伴う入札・運用・精算フローの修正。
改定③
派生パターンへの変更申込みに伴うフローの追加。
改定④
需給調整市場参入に伴う機器点計量の申込みフローの追加。
今回の改定では、(1)機器個別・低圧リソース導入に伴う事前審査フローの修正、(2)機器個別リソース導入に伴う入札・運用・精算フローの修正、(3)派生パターンへの変更申込みに伴うフローの追加、(4)需給調整市場参入に伴う機器点計量の申込みフローの追加が行われた。機器個別リソース・低圧リソースの導入は、より小規模・分散的なリソース(蓄電池等)の市場参入の道を広げる方向の改定であり、機器点計量フローの新設は機器単位での計量・精算を可能にする実務基盤となる。
— EPRX 取引ガイド別紙『業務フロー』機器点計量フローの新設は、リソース全体ではなく機器単位での計量・精算を可能にする実務基盤であり、複数機器を束ねるアグリゲーション運用の精算精度に関わる。また、派生パターンへの変更申込フローの追加は、リソースのリスト・パターン構成(発電機/需要家/ネガポジ)変更時の手続きを明確化し、運用中のリソース再編を容易にする。
- 蓄電池事業者・アグリゲーターは、機器個別・低圧リソース導入フローと機器点計量申込フローを踏まえ、参入対象リソースの計量・精算方式と申込手順を再確認する。
- 参入計画では工事要否別のリードタイム(工事不要約6ヶ月/簡易指令約13ヶ月/専用線約15ヶ月)と必要様式(様式3〜7・10-1-1・15-1等)を織り込んでスケジュールを策定する。
- 運用中のリソース構成を変更する場合は、新設された派生パターン変更申込フローに沿って手続きする。
- 性能を試験成績書・稼働実績で証明できるかを事前に確認し、証明できない場合は実働試験の日程を参入スケジュールに組み込む。
読者別の緊急度
参入手続きの存在と難度を概観する程度でよい。
設計・参入実務担当は機器個別・機器点計量フローを今月中に確認すべき。
参入を進める事業者は様式・手順・リードタイムを今すぐ押さえる必要がある。
よくある質問(Q&A)
2026年3月14日の業務フロー改定で何が変わりましたか?(1)機器個別・低圧リソース導入に伴う事前審査フローの修正、(2)機器個別リソース導入に伴う入札・運用・精算フローの修正、(3)派生パターンへの変更申込みフローの追加、(4)需給調整市場参入に伴う機器点計量の申込みフローの追加の4点です。
需給調整市場への参入手続きの流れは?様式3〜7の提出による市場参加申込→市場資格審査→様式6でユーザーID・MMSコードの通知→性能確認審査(様式10-1-1・様式15-1等)→性能を実績で証明できない場合は実働試験、という流れです。その後、簡易指令システム工事または専用線オンライン工事を経て契約締結・入札に進みます。
機器点計量フローの新設にはどんな意義がありますか?リソース全体ではなく機器単位での計量・精算を可能にする実務基盤で、複数機器を束ねるアグリゲーション運用の精算精度に関わります。
機器個別・低圧リソースの導入は何を意味しますか?従来より小規模・分散的なリソース(蓄電池等)の市場参入の道を広げる方向の改定で、参入対象の裾野が拡大します。機器単位での計量・精算を可能にする機器点計量フローと組み合わせて機能します。
参入にはどのくらいの期間が必要ですか?別紙『事前準備が必要な内容』と整合し、通信回線工事が不要な場合で約6ヶ月、簡易指令システムで約13ヶ月、専用線で約15ヶ月が標準です。
実働試験はどのような場合に必要ですか?性能確認審査で試験成績書・稼働実績データにより性能を証明できない場合に実働試験が必要となり、蓄電池の参入リードタイムを左右します。実働試験は試験候補日1日・30分3コマの時間帯選定で行われます。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 機器個別・低圧リソース導入フローの新設は、需給調整市場の参入対象を大規模電源から小規模・分散型リソースへ広げる制度的な一手であり、蓄電池の参入母集団の拡大につながる。
- 機器点計量フローの新設は、機器単位での計量・精算という運用の解像度を上げ、複数機器を束ねるアグリゲーションの精算精度と収益配分の透明性に直結する。
- 性能を実績で証明できない場合の実働試験(試験候補日1日・30分3コマ)は、新規参入リソースのリードタイムを左右する律速点であり、試験成績書・稼働実績の事前準備が参入時期を決める。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。
この記事のまとめ
EPRX 取引ガイド別紙『業務フロー』の2026年3月14日施行改定(全70ページ)は、事前審査・工事・契約締結・入札・運用・精算・リソース削除・派生パターン変更・機器点計量申込の各業務を商品別・リソース形態別に図解する。参入手続きは様式3〜7の提出→市場資格審査→様式6通知→性能確認審査(様式10-1-1・15-1等)→実働試験の流れで、リードタイムは工事不要約6ヶ月・簡易指令約13ヶ月・専用線約15ヶ月。今回の改定では機器個別・低圧リソース導入フロー、機器点計量申込フロー、派生パターン変更フローが整理され、小規模・分散的な蓄電池リソースの参入と機器単位の計量・精算が可能になった。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の電力市場・需給調整を専門とする社内専門家。本記事の手順・様式記述を確認。
出典(一次情報)
- 一般社団法人 電力需給調整力取引所(EPRX)取引ガイド別紙『業務フロー』(2026年3月14日施行・全70ページ)
https://www.eprx.or.jp/ - 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/01_市場制度(OCCTO・EPRX・JEPX)/EPRX/20260301_EPRX_取引ガイド別紙業務フロー(2026314実施)[4.1MB].pdf
本記事は2026年3月14日施行の改定版の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。様式・手順・リードタイムは今後の改定で変更される可能性があります。最新版の確認はEPRXの案内によります。
出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/market/proffessional/4609503001001/
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