長期脱炭素電源オークション(応札年度2025年度)約定結果の詳細 ― 蓄電池落札率46%・年度別分布・セル30%制限
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は2026年5月13日、長期脱炭素電源オークション(応札年度:2025年度・第3回)の約定結果を公表した。脱炭素電源は約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)、蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%。実需給年度別・発電方式別の落札容量と容量拠出金試算まで収録する公式結果資料である。
このページの要点
- 脱炭素電源は約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均・控除後2,098〜3,503億円/年)、LNG専焼火力は303.8万kW・1,444億円/年(控除後△754〜870億円/年)。全国応札1,085.6万kWのうち落札729.9万kW(67%)・非落札355.7万kW(33%)。
- 蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%。内訳枠はリチウムイオン蓄電池・揚水(新設除く)81.9万kW、非リチウム蓄電池・揚水(新設)・LDES 88.6万kW。落札の約97%を新設・リプレース等が占め、実需給年度別では20年制度適用が376.3万kW(51%)等。
- 蓄電池にはセル製造国・地域1国当たり総落札容量30%未満の経済安全保障要件が課される。実需給2027〜2029年度の容量拠出金試算も収録された。
出典:OCCTO 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2025年度・2026年5月13日公表)。
脱炭素電源への20年固定収入入札「第3回コンペの公式結果発表資料」そのものである。蓄電池がどれだけ・どの年度で・どのような枠で落札したかを数値で示す。
目次
- 第3回約定結果の全体像(総容量・総額・控除後)
- 蓄電池の落札状況(電源種別枠・落札率・年度別分布)
- セル製造国30%制限と容量拠出金試算が示す示唆
- よくある質問(Q&A)
- 編集部の見立て(独自分析)
- 出典(一次情報)
第3回約定結果の全体像 ― 総容量・総額・控除後
募集量500万kWに対し、脱炭素電源の約定は426.1万kW。応札の67%が落札した。
図1:第3回約定結果の全体像 ― 総容量・総額・控除後
出典:OCCTO 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2025年度・2026年5月13日公表)。
2026年1月に応札が行われた第3回オークションの約定結果は、脱炭素電源(募集量500万kW)が約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)、他市場収益推定還付後の控除後約定総額は2,098〜3,503億円/年である。LNG専焼火力(募集量約292.9万kW)は303.8万kW・1,444億円/年で、控除後は△754〜870億円/年(還付額が容量確保契約金額を超過する場合は△表記)となった。
約定はマルチプライス方式で、電源種を問わない同一オークションで応札価格の低い順に約定する。蓄電池・揚水・LDES等には電源種ごとの募集上限が設定される。
蓄電池の落札状況 ― 電源種別枠・落札率・実需給年度別分布
蓄電池の応札125.1万kWに対し、落札は電源種別募集上限の範囲で46%にとどまった。
図2:蓄電池の落札状況 ― 電源種別枠・落札率46%・実需給年度別分布
出典:OCCTO 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2025年度)。
脱炭素電源の約定内訳は、リチウムイオン蓄電池・揚水(新設除く)81.9万kW、リチウムイオン以外の蓄電池・揚水(新設)・LDES 88.6万kW、脱炭素火力51.7万kW、既設原子力の安全対策投資55.8万kW、その他脱炭素電源148.2万kWである。
発電方式別の応札容量・落札率は、蓄電池125.1万kW(46%)、揚水45.3万kW(55%)、原子力(新設・リプレース)138.1万kW(100%)、LNG専焼303.8万kW(64%)等で、落札の約97%を新設・リプレース等が占めた。実需給年度別の落札容量は、20年制度適用が376.3万kW(51%)等となっている。
セル製造国30%制限と容量拠出金試算が示す示唆
経済安全保障要件と小売負担の見通しが、次回応札の前提条件を形づくる。
蓄電池は、リチウムイオン/リチウムイオン以外のそれぞれについて、日本を除くセル製造国・地域1国当たりの落札容量が総落札容量の30%未満に制限される。特定国製セルへの依存を抑える経済安全保障要件であり、次回応札のセル調達戦略に直結する。
本資料には、容量オークションとの関係(調整機能あり電源の契約容量)と、実需給2027〜2029年度の容量拠出金試算も収録されており、小売電気事業者の費用負担見通しにも関わる。なお、蓄電池・揚水・LDESの他市場収益還付額は可変費・設備利用率が未公表のため試算に含まれておらず、控除後約定総額には反映されていない。
実務チェックリスト
- 蓄電池事業者は、落札容量・落札率・実需給年度別分布・セル製造国30%制限を分析し、次回応札の電源計画・セル調達戦略に反映する。
- 実需給2027〜2029年度の容量拠出金試算を踏まえ、小売の費用負担見通しを把握する。
- リチウム/非リチウム蓄電池・揚水・LDESの電源種別募集上限の動向を確認し、応札区分を見極める。
読者別の緊急度
蓄電池の容量収入確保状況を示す最新結果として今週中に把握すべき。
電源種別枠・セル制約を今週中に確認しておきたい。
次回応札の前提となる結果であり、直ちに押さえるべき。
よくある質問(Q&A)
第3回オークションの約定結果の全体像は?脱炭素電源(募集量500万kW)が約定総容量426.1万kW・約定総額4,748億円/年(過去3年平均)、LNG専焼火力が303.8万kW・1,444億円/年です。全国応札1,085.6万kWのうち落札729.9万kW(67%)・非落札355.7万kW(33%)でした。
蓄電池の落札状況は?蓄電池の応札容量は125.1万kW・落札率46%です。約定内訳の枠は、リチウムイオン蓄電池・揚水(新設除く)81.9万kW、リチウムイオン以外の蓄電池・揚水(新設)・LDES 88.6万kWです。
実需給年度別の落札分布は?20年制度適用が376.3万kW(51%)等です。落札の約97%を新設・リプレース等が占めています。詳細な年度別・エリア別の内訳は一次資料参照。
セル製造国30%制限とは?蓄電池はリチウムイオン/リチウムイオン以外のそれぞれで、日本を除くセル製造国・地域1国当たりの落札容量が総落札容量の30%未満に制限される経済安全保障要件です。
容量拠出金試算とは何ですか?本資料に収録された実需給2027〜2029年度の容量拠出金の試算で、小売電気事業者の費用負担見通しに関わります。
この資料と第73回検討会資料3の関係は?本資料は2026年5月13日公表の約定結果本体で、第73回容量市場の在り方等に関する検討会の資料3に内包されて報告されたものと同一内容です。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- 蓄電池の落札率46%は応札超過に対し電源種別募集上限で絞られたことを示し、競争激化と上限価格の規律が働いている。
- セル製造国・地域1国当たり30%未満の制限は特定国製セル依存を抑える経済安全保障要件で、調達戦略に直結する。
- 蓄電池・揚水・LDESの他市場収益還付額は試算に含まれておらず、控除後約定総額を収益比較に使う際は留意が必要である。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。
この記事のまとめ
OCCTOが2026年5月13日に公表した第3回長期脱炭素電源オークション約定結果は、脱炭素電源426.1万kW・4,748億円/年、LNG専焼303.8万kW・1,444億円/年、全国落札率67%を示した。蓄電池は応札125.1万kW・落札率46%で、リチウムイオン81.9万kW・非リチウム等88.6万kWの電源種別枠の範囲で落札。落札の約97%は新設・リプレース等、20年制度適用は376.3万kW(51%)である。セル製造国30%未満制限と容量拠出金試算(2027〜2029年度)が、次回応札と費用負担の前提となる。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。
出典(一次情報)
- 電力広域的運営推進機関 容量市場 長期脱炭素電源オークション約定結果(応札年度:2025年度)(2026年5月13日公表)
https://www.occto.or.jp/capacity-market/index.html - 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/01_市場制度(OCCTO・EPRX・JEPX)/OCCTO/(2026-05-13 長期脱炭素電源オークション約定結果)※2025年度応札フォルダの同名資料と同一内容(統合済み)
本記事は2026年5月13日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。制度内容は今後の審議等で変更される可能性があります。
出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/market/proffessional/4615503001002/
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