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系統連系の「入口情報」が揺らいだ ― 東電PG、系統情報6,552箇所の記載誤りと接続検討等の回答誤り589事業者・2,766件

東京電力パワーグリッドは2026年6月2日、ホームページで公開する系統情報(空容量マッピング・系統構成/予想潮流)に6,552箇所の記載誤りがあり、これを引用した事前相談・接続検討の回答に589事業者・2,766件(過去5か年分)の誤りがあったと公表した。接続可否・工事費負担金・工期の回答誤りはないとされるが、蓄電池の立地・系統選定の前提情報の信頼性に関わる事案である。

このページの要点

  1. 東京電力PGが、HPで公開する系統情報(空容量マッピング・系統構成/予想潮流の運用容量値・予想潮流・空容量等)の基となる系統情報の登録誤りにより、6,552箇所の記載誤りを確認した。
  2. 誤った系統情報を引用したため、『事前相談』366事業者・1,692件、『接続検討』311事業者・1,074件(重複除き589事業者・計2,766件、過去5か年分)の回答内容に一部誤りがあった。
  3. ただし接続可否・工事費負担金・接続までの工期に関する回答誤りは確認されておらず、系統情報は修正完了・公開再開済み。専用窓口を設置し対象事業者へ順次連絡している。

出典:東京電力パワーグリッド プレスリリース(2026年6月2日)。

要旨 ― ひと言でいえば

発電所や蓄電池をどこに繋ぐかを判断するための「系統の空き容量マップ」に大量の記載誤りがあり、それを引用して事業者へ渡した回答書の一部まで誤っていた事案である。蓄電池の立地・系統選定の前提資料そのものの誤りであり、計画の出発点の再確認が必要になる。

目次

  1. 何が起きたか|系統情報6,552箇所の記載誤りと発覚の経緯
  2. 事前相談・接続検討の回答誤り(589事業者・2,766件)の中身と限定条件
  3. 蓄電池の立地・系統選定への影響と事業者が取るべき確認
  4. よくある質問(Q&A)
  5. 編集部の見立て(独自分析)
  6. 出典(一次情報)

何が起きたか|系統情報6,552箇所の記載誤りと発覚の経緯

2026年1月の事業者からの問い合わせが発端となり、公開停止と全面調査に至った。

図1:発覚から公表までの経緯 ― 問い合わせ・調査・公表の3段階

東電PGの系統情報6,552箇所の記載誤りが2026年1月の問い合わせから6月2日公表に至る経緯を3段階で示した図

出典:東京電力パワーグリッド プレスリリース(2026年6月2日)。

東京電力パワーグリッドは、資源エネルギー庁のガイドライン(系統情報の公表の考え方・2026年4月)に基づき、空容量マッピングや系統構成・予想潮流といった系統情報をHPで公開している。今回の事案は、この公開情報の基となる系統情報の基データの登録誤りに起因し、HP上の『空容量マッピングに関する情報』『系統構成・予想潮流』における運用容量値・予想潮流・空容量(平常時の系統混雑発生見込みに関する値)等に掲載誤りが生じたものである。

一次資料の記載(要旨)

当社がHPで公開している系統情報の一部に誤りを確認し、また送電・配電系統へ発電設備の接続を検討する発電事業者からの『事前相談』および『接続検討』において、回答内容に一部誤りがあることを確認した。誤りは公開する系統情報の基データの登録誤りに起因する。

— 東京電力PG『当社ホームページ上の系統情報の一部誤りおよび系統接続に係る回答誤りと対応について』

事前相談・接続検討の回答誤り(589事業者・2,766件)の中身と限定条件

回答誤りは大規模だが、「何が誤っていて、何が誤っていないか」の線引きが公表されている。

図2:回答誤りの件数(過去5か年分)と、誤りが確認されていない範囲

東電PGの事前相談1,692件・接続検討1,074件・合計589事業者2,766件の回答誤りと誤りが確認されていない範囲を示す図

出典:東京電力パワーグリッド プレスリリース(2026年6月2日)。

誤って登録された系統情報を引用したことにより、事前相談(最寄り送変電設備の熱容量・直線距離等から簡易な事業性判断を行うもの)と接続検討(技術的な接続可否・工事費負担金・工期等を回答するもの)の回答内容に誤りが生じた。件数は次のとおりである。

誤りがあった範囲・なかった範囲

誤りがあった範囲

HP公開の系統情報(空容量マッピング・系統構成/予想潮流の運用容量値・予想潮流・空容量等)=6,552箇所。これを引用した事前相談・接続検討の回答内容の一部

誤りが確認されていない範囲

接続可否、工事費負担金、接続までの工期に関する回答誤りは確認されていない。現在は正しい内容で回答している。

一次資料の記載(要旨)

回答誤りの件数は事前相談366事業者1,692件、接続検討311事業者1,074件、重複を除く合計589事業者・2,766件(調査対象は社内保管期間である過去5か年分)。ただし接続可否、工事費負担金、接続までの工期に関する回答誤りは確認されていない。

— 東京電力PG プレスリリース(2026年6月2日)

蓄電池の立地・系統選定への影響と事業者が取るべき確認

立地段階の事業性判断に使った参照情報が誤っていた可能性があり、自案件の確認が最優先になる。

系統用蓄電池の立地・系統選定は、空容量・運用容量・予想潮流といった系統情報と、事前相談・接続検討の回答に依存している。これらが6,552箇所・589事業者規模で誤っていたことは、東電PGエリアで進行中の蓄電池案件の系統前提(混雑見込み・受入余地)の再確認を迫るものである。接続可否・工事費・工期そのものの誤りはないとされるが、立地段階での事業性判断に用いた参照情報が誤っていた可能性は残る。

東電PGは専用窓口(TEL 03-4218-7881)を設置し、対象事業者へ順次連絡している。系統情報の信頼性への影響は東電PGエリアの新規連系全般に及ぶため、対象通知を待つだけでなく能動的な確認が望ましい。

  • 東電PGエリアで蓄電池の事前相談・接続検討を行った事業者は、専用窓口(TEL 03-4218-7881)に自案件への影響有無を確認する。
  • 立地・系統選定に用いた空容量・予想潮流等の参照情報を、修正後の最新系統情報で再確認する。
  • 東電PGが今後公表する原因究明・再発防止策と、同社への報告徴収の対応状況を継続フォローする。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)3/5

東電PGエリアの系統情報の信頼性に関わる事案として今月中に把握しておきたい。

中級(建設・メーカー・設計)4/5

立地・系統設計担当は自案件の参照情報の再確認を今週中に行うべき。

上級(事業者・アグリゲーター)5/5

東電PGで連系を進める事業者は自案件への影響確認を直ちに行うべき必須事項。

よくある質問(Q&A)

何が誤っていたのですか?

東京電力PGがホームページで公開する系統情報(空容量マッピングに関する情報、系統構成・予想潮流)における運用容量値・予想潮流・空容量(平常時の系統混雑発生見込みに関する値)等で、6,552箇所の記載誤りが確認されました。原因は公開する系統情報の基データの登録誤りです。

回答誤りの規模はどの程度ですか?

事前相談が366事業者・1,692件、接続検討が311事業者・1,074件で、重複を除く合計は589事業者・2,766件です。調査対象は社内保管期間である過去5か年分です。

接続可否や工事費負担金の回答も誤っていたのですか?

いいえ。接続可否、工事費負担金、接続までの工期に関する回答誤りは確認されていないと公表されています。

どのように発覚したのですか?

2026年1月に事業者から系統構成・予想潮流の内容について問い合わせを受けて確認したところ一部に誤りがあり、即時に公開を停止しました。その後、関連する系統情報を調査した結果、6,552箇所の記載誤りが確認されました。

現在の対応状況はどうなっていますか?

系統情報の修正は完了し、取り急ぎ公開できる系統情報からホームページでの公開を再開しています。専用窓口(TEL 03-4218-7881)を設置し、対象事業者へ順次連絡しています。経緯・原因の詳細を調査・整理のうえ再発防止策を講じるとしています。

蓄電池事業者は何をすべきですか?

東電PGエリアで事前相談・接続検討を行った事業者は、専用窓口に自案件への影響有無を確認することが推奨されます。また、立地・系統選定に用いた空容量・予想潮流等の参照情報を修正後の最新系統情報で再確認し、今後公表される原因究明・再発防止策を継続フォローすべきです。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • 誤りは「系統情報の基データの登録誤り」に起因し、空容量マッピング・予想潮流という連系判断の根幹データに波及した。単なる表示ミスではなく、系統連系の入口情報の信頼性の問題と位置づけられる。
  • 回答誤りが過去5か年・589事業者・2,766件規模に及ぶ一方、接続可否・工事費負担金・工期の回答には誤りがないと整理されており、影響範囲は「事業性検討の参照情報」に限定されると説明されている。
  • 資源エネルギー庁ガイドライン(系統情報の公表の考え方)に基づく公表情報の誤りであり、同社への報告徴収(電気事業法106条3項)に直結する制度的な重さを持つ。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。

この記事のまとめ

東京電力PGは2026年6月2日、HP公開の系統情報(空容量マッピング・系統構成/予想潮流の運用容量値・予想潮流・空容量等)に6,552箇所の記載誤りがあり、これを引用した事前相談・接続検討の回答に589事業者・2,766件(過去5か年分)の誤りがあったと公表した。接続可否・工事費負担金・工期の回答誤りは確認されておらず、系統情報は修正完了・公開再開済みで、専用窓口(03-4218-7881)から対象事業者へ順次連絡している。東電PGエリアで蓄電池の連系を進める事業者は、自案件への影響確認と、立地判断に用いた参照情報の再確認を行うべき事案である。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。

監修

BESS NEWS編集長

系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。

出典(一次情報)

  1. 東京電力パワーグリッド『当社ホームページ上の系統情報の一部誤りおよび系統接続に係る回答誤りと対応について』(2026年6月2日)/東京電力PG 系統情報ページ
    https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/system/
  2. 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/04_系統・接続(送配電・系統増強)/東京電力PG/20260602_東京PG_当社ホームページ上の系統情報の一部誤りおよび系統接続に係る回答誤りと対応について.pdf(同内容の複製が送配電各社/にも所在)

本記事は2026年6月2日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。原因究明・再発防止策の詳細は今後公表される可能性があります。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4617503102001/

本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。

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