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変電所用地と系統接続をセットで公募 ― 北陸電力送配電の系統用蓄電池 土地貸付(第2回)は9月18日締切

北陸電力送配電は2026年6月12日、変電所用地2地点(舟橋=高圧2MW/6MWh、富南=特別高圧7MW/21MWh)を系統用蓄電池事業者に貸し付ける第2回公募の募集要綱を公表した。応募締切は2026年9月18日、優先事業者は10月下旬に選定される。ノンファーム型接続・需給バランス制約時の遠隔出力制御・N-1充電停止装置といった連系条件が要綱に明示されている。

このページの要点

  1. 北陸電力送配電が、系統接続が比較的容易な変電所用地(舟橋変電所・富南変電所の2地点)に系統用蓄電池を設置・運用する事業者を募集する第2回公募の要綱を2026年6月12日に公表した。
  2. 舟橋=高圧6.6kV接続・想定2MW(6MWh)・工事費負担金目安1百万円・工期4ヶ月、富南=特別高圧66kV接続・想定7MW(21MWh)・工事費負担金目安155百万円・工期30ヶ月。逆潮流側の空き容量はいずれも「なし」、順潮流側は舟橋のみ「あり」。
  3. ノンファーム型接続(混雑時出力制御あり)、需給バランス制約時の遠隔制御による放電抑制、充電側制約系統へのN-1充電停止装置設置等が留意事項に明示。応募締切2026年9月18日、優先事業者選定10月下旬、接続検討料20万円+税。

出典:北陸電力送配電『系統用蓄電池向けの土地貸付(第2回)に係る募集要綱』(2026年6月12日公表)。

要旨 ― ひと言でいえば

送配電会社が自社変電所の空き地を蓄電池事業者に貸し出す、用地と系統接続をセットにした入札である。どれだけ繋げられるか(空き容量)、充放電をどこまで止められるか(出力制御・充電停止)という系統側の条件が値札に最初から書かれている点が肝であり、その条件を織り込んだ事業性評価が応募の成否を分ける。

目次

  1. 北陸送配電の系統用蓄電池 土地貸付公募とは|舟橋・富南の地点情報
  2. 空き容量・ノンファーム・N-1充電停止という連系条件を読み解く
  3. 応募スケジュール・評価項目・費用と事業性試算のポイント
  4. よくある質問(Q&A)
  5. 編集部の見立て(独自分析)
  6. 出典(一次情報)

北陸送配電の系統用蓄電池 土地貸付公募とは|舟橋・富南の地点情報

用地確保と系統接続という開発の二大ボトルネックを、一度の公募で解決できる希少な機会である。

図1:募集2地点の条件差 ― 舟橋(高圧)・富南(特別高圧)の負担金・工期と募集開始時点の空き容量

北陸電力送配電の系統用蓄電池 土地貸付第2回で舟橋(高圧)と富南(特別高圧)の負担金・工期・空き容量の差を示す図

出典:北陸電力送配電『系統用蓄電池向けの土地貸付(第2回)に係る募集要綱』(2026年6月12日公表)。空き容量は他電源の接続状況等で変動し対策工事費が発生する場合がある。

北陸電力送配電株式会社は2026年6月12日、『系統用蓄電池向けの土地貸付(第2回)に係る募集要綱』を公表した。需給バランスの調整力として期待される系統用蓄電池の設置を促すため、系統接続が比較的容易な自社変電所用地の一部を蓄電池事業者に貸し付ける公募である。募集地点は舟橋変電所(中新川郡舟橋村)と富南変電所(富山市上野)の2地点で、それぞれ接続電圧・容量目安・工事費負担金・空き容量が要綱に明示されている。

一次資料の記載(要旨)

需給バランスの調整力として期待される系統用蓄電池の設置を促すため、系統接続が比較的容易な自社変電所用地の一部を蓄電池事業者に貸し付ける。

— 北陸電力送配電『系統用蓄電池向けの土地貸付(第2回)に係る募集要綱』

富南の工事費負担金155百万円・工期30ヶ月は特別高圧接続の重さを示す数字であり、高圧接続の舟橋(1百万円・4ヶ月)との差は大きい。応募検討の第一歩は、この2地点の条件差を前提とした事業規模・接続コストの見極めになる。

空き容量・ノンファーム・N-1充電停止という連系条件を読み解く

「土地を借りられるか」より先に、「どれだけ充放電できるか」を規定する条件群である。

本公募の最大の特徴は、系統側の運用制約が募集要綱の留意事項に最初から明示されている点にある。空き容量は募集開始時点で舟橋=逆潮流側なし・順潮流側あり、富南=逆潮流側・順潮流側いずれもなしであり、他電源の接続状況等で変動し対策工事費が発生する場合がある。逆潮流(放電)側に空きがないことは、放電に系統制約がかかる可能性を示す。

条件①:ノンファーム型接続

基幹系統・ローカル系統にノンファーム型接続が適用され、混雑時に出力制御される場合がある

条件②:遠隔制御による放電抑制

需給バランス制約による出力制御発生時は、優先給電ルールに基づく遠隔制御で放電出力を抑制する場合があり、抑制機能を有する設備の設置が必要

条件③:N-1充電停止装置

充電側の送電容量制約がある系統には、N-1充電停止装置の設置等を接続条件とする場合がある。充電可能な時間・量に制約が生じ得る。

要請:再エネ出力制御の低減

系統用蓄電池の活用による再エネ出力制御量の低減への協力が求められる。

これらの条件は収益モデルに直結する。放電(逆潮流)の出力制御リスクは売電・市場供出量を、充電側のN-1充電停止は安価な時間帯に充電するアービトラージ戦略を、それぞれ制約し得るため、放電可能量・充電可能時間帯を前提とした事業性評価が不可欠である。

応募スケジュール・評価項目・費用と事業性試算のポイント

応募締切は2026年9月18日(消印有効)。運転開始に至る工程は2027年11月頃の工事開始まで要綱に示されている。

図2:応募から系統アクセス工事開始までの工程と費用

系統用蓄電池 土地貸付第2回の応募締切2026年9月18日から2027年11月頃の系統アクセス工事開始までの工程と費用の図

出典:北陸電力送配電『系統用蓄電池向けの土地貸付(第2回)に係る募集要綱』(2026年6月12日公表)。工程は要綱に示された目安。

公募開始から系統アクセス工事開始までの流れは次のとおりである。接続検討は1受電地点1検討につき検討料20万円+消費税、接続検討結果の回答は受付から3ヶ月以内、契約申込み期限は高圧1ヶ月・特別高圧2ヶ月以内とされている。

評価項目 ― 市場参加と設備仕様が問われる

評価項目は、蓄電池事業の実現性・継続性(運用期間、主要設備のメーカー・仕様=より大きなkW/kWh容量とJIS等標準規格準拠、蓄電池利用目的=需給調整市場・容量市場・卸電力市場のいずれかに参加、防火・耐火性能、原状復帰資金、収支・資金調達計画、設備レイアウト、サイバーセキュリティ対策)、運転開始までの工程、周辺環境配慮、設備管理・運用体制、関連法令・条例対応、土地貸付料の希望価格等とされている。土地賃貸借契約では保証金(土地賃借料3ヶ月分+工作物撤去費用相当額=1万円/m2×賃貸借面積)が必要になる。

  • 舟橋・富南の容量目安・空き容量・工事費負担金・工期を前提に事業性を試算し、2026年9月18日の応募締切に向けて評価項目回答書を準備する(電子データの事前確認に約2週間)。
  • ノンファーム接続・需給バランス制約による遠隔放電抑制・N-1充電停止装置による充電制約を収益モデル(放電可能量・充電可能時間)に織り込み、抑制機能を有する設備仕様を設計に反映する。
  • 接続検討料20万円+税、契約申込み期限(高圧1ヶ月/特別高圧2ヶ月)、保証金(賃借料3ヶ月分+撤去費用相当1万円/m2)等の手続き・費用を社内の意思決定スケジュールに組み込む。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)3/5

系統用蓄電池の用地・接続公募という新しい開発機会の存在を今月中に把握しておきたい。

中級(建設・メーカー・設計)4/5

設計・EPC側は空き容量・充電制約・連系条件を今月中に確認し設備仕様に反映すべき。

上級(事業者・アグリゲーター)5/5

9月18日締切の応募準備に直結するため絶対に今押さえるべき。

よくある質問(Q&A)

応募の締切はいつですか?

応募受付締切は2026年9月18日(消印有効)です。公募開始は2026年6月12日で、優先事業者の選定は2026年10月下旬に行われます。

募集地点と設置可能容量の目安は?

2地点です。舟橋変電所(中新川郡舟橋村・敷地約1,150m2)は目安2MW/6MWhで最寄6.6kV配電線への高圧接続、富南変電所(富山市上野・敷地約1,400m2)は目安7MW/21MWhで富南変電所66kV母線への特別高圧接続です。

系統アクセス工事費負担金と工期の目安は?

舟橋は工事費負担金目安1百万円(税抜)・工期4ヶ月、富南は155百万円(税抜)・工期30ヶ月です。空き容量は他電源の接続状況等で変動し、対策工事費が発生する場合があります。

空き容量はどのくらいありますか?

募集開始時点で、舟橋は逆潮流側なし・順潮流側あり、富南は逆潮流側・順潮流側いずれもなしです。他電源の接続状況等で変動し、対策工事費が発生する場合があります。

どのような連系条件が付きますか?

基幹系統・ローカル系統にノンファーム型接続が適用され混雑時に出力制御される場合があること、需給バランス制約による出力制御発生時は優先給電ルールに基づく遠隔制御で放電出力を抑制する場合があり抑制機能を有する設備の設置が必要なこと、充電側の送電容量制約がある系統にはN-1充電停止装置設置等を接続条件とする場合があることが留意事項に明示されています。

応募・契約に必要な費用は?

接続検討は1受電地点1検討につき検討料20万円+消費税、契約申込み期限は高圧1ヶ月・特別高圧2ヶ月以内です。土地賃貸借契約では保証金(土地賃借料3ヶ月分+工作物撤去費用相当額=1万円/m2×賃貸借面積)が必要です。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • 空き容量が逆潮流側「なし」で順潮流側のみ舟橋「あり」という記載は、放電(逆潮流)に系統制約がかかる可能性が高いことを示し、出力制御リスクを織り込んだ収益試算が必須となる。
  • 充電側制約系統へのN-1充電停止装置の設置を接続条件としうる点は、充電可能時間・量に制約が生じ、安価な時間帯の充電戦略(アービトラージ)に直接影響する北陸特有の系統事情を反映する。
  • 蓄電池利用目的を需給調整市場・容量市場・卸電力市場いずれかへの参加に限定し、抑制機能を有する設備(遠隔制御対応)の設置を求める評価・条件設計は、送配電事業者が調整力としての蓄電池の系統貢献を選定基準に組み込んでいることを示す。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。

この記事のまとめ

北陸電力送配電の変電所用地を使う系統用蓄電池の第2回土地貸付公募。舟橋(高圧2MW/6MWh・工事費負担金目安1百万円・工期4ヶ月)・富南(特別高圧7MW/21MWh・同155百万円・30ヶ月)の2地点で、空き容量(逆潮流側はいずれもなし)・ノンファーム型接続・遠隔制御による放電抑制・N-1充電停止装置等の連系条件が要綱に具体的に明示されている。応募締切は2026年9月18日(消印有効)で、優先事業者選定は10月下旬。連系制約を織り込んだ放電収益・充電可能時間帯の事業性評価が応募の成否を分ける。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。

監修

BESS NEWS編集長

系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。

出典(一次情報)

  1. 北陸電力送配電株式会社『系統用蓄電池向けの土地貸付(第2回)に係る募集要綱』(2026年6月12日公表)。関連ページ:北陸電力送配電 ネットワークサービス(発電量調整供給開始の申込み)
    https://www.rikuden.co.jp/nw_soden/hatsudenryokaisinagare.html
  2. 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/04_系統・接続(送配電・系統増強)/北陸電力/20260612_北陸電力_系統用蓄電池土地貸付第2回募集要綱.pdf

本記事は2026年6月12日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。応募条件・スケジュールの詳細は必ず募集要綱の原本で確認してください。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4618503102001/

本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。

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