余力活用契約のルールが第5版に ― 運用規程・余力活用ガイドを改定、EPRX規程と同日の7月1日実施
送配電網協議会は「余力の運用規程」第5版と「余力活用ガイド」第5版を公表した(2026年6月18日)。実施日は2026年7月1日で、EPRX(電力需給調整力取引所)の取引規程改定と同日適用。事前審査はEPRXの様式を利用し、精算は需給調整市場との一体精算に対応した共通様式を使用する整理が示された。
このページの要点
- 送配電網協議会が「余力の運用規程」第5版・「余力活用ガイド」第5版を公表。2026年7月1日実施で、EPRXの取引規程改定と同日適用となる。
- 事前審査はEPRXの様式を利用し、精算も需給調整市場との一体精算に対応した共通様式を使用する整理が示された。直接的な手数料変更は公表されていない。
- 需給調整市場と余力活用契約の双方に参加するリソースは、指令の優先順位・計量値・精算データ・アセスメント対象の切り分けを7月1日前に確認する必要がある。
出典:送配電網協議会「余力の運用規程」第5版・「余力活用ガイド」第5版(2026年6月18日公表)。
需給調整市場とは別ルートで電源等の余力を活用する「余力活用契約」の手引きが、EPRXの取引規程改定と同じ2026年7月1日に第5版へ更新される。様式の共通化で事務は簡素になる一方、両制度に同一リソースで参加する事業者は運用の切り分け確認が必須になる。
目次
- 第5版の公表内容 ― 何が更新されたか
- 需給調整市場(EPRX規程改定)との整合 ― 様式の共通化
- 二重参加リソースの注意点 ― 切り分けるべき4項目
- 実務対応 ― 7月1日までのチェックリスト
- よくある質問(Q&A)
- 編集部の見立て(独自分析)
- 出典(一次情報)
第5版の公表内容 ― 何が更新されたか
余力活用契約の実務を定める2文書が、同時に第5版へ改定された。
送配電網協議会は、余力活用契約の実務ルールを定める「余力の運用規程」第5版と「余力活用ガイド」第5版を公表した。実施日は2026年7月1日で、EPRX(電力需給調整力取引所)の取引規程改定と同日の適用となる。
事前審査ではEPRXの様式を利用し、精算についても需給調整市場との一体精算に対応した共通様式を使用する整理が示された。直接的な手数料変更は公表されていない。
— 送配電網協議会「余力の運用規程」第5版・「余力活用ガイド」第5版(要旨)第5版の条文単位の変更点・適用細則は一次資料参照。本記事は2026年6月18日時点の公表内容に基づく。
需給調整市場(EPRX規程改定)との整合 ― 様式の共通化
事前審査と精算の様式が、需給調整市場側と共通化される。
今回の第5版の要点は、余力活用契約の事務手続きを需給調整市場側の仕組みへ寄せる様式の共通化にある。具体的には次の2点が整理された。
① 事前審査
EPRXの様式を利用する。余力活用契約のための独自様式ではなく、需給調整市場側の様式に揃える整理。
② 精算
需給調整市場との一体精算に対応した共通様式を使用する。精算事務のデータ様式が両制度で共通になる。
EPRXの取引規程改定と同日(2026年7月1日)適用となるため、需給調整市場と余力活用契約の双方に参加する事業者は、両規程をセットで読み合わせて整合を確認する必要がある。なお、直接的な手数料変更は公表されていない。
二重参加リソースの注意点 ― 切り分けるべき4項目
様式の共通化は事務負担を下げる一方、運用の切り分けミスというリスクを生む。
図1:二重参加リソースが切り分けを確認すべき4項目
出典:送配電網協議会 公表資料(2026年6月18日)に基づく整理。
需給調整市場と余力活用契約に同一リソースで参加する場合、事務様式が共通化されるからこそ、どの指令・どのデータがどちらの制度に属するかの管理が重要になる。確認すべきは次の4項目である。
この切り分けを誤ると、指令への応動や実績管理・精算に不整合が生じ得る。実施日の2026年7月1日前に確認を済ませておくことが求められる。
実務対応 ― 7月1日までのチェックリスト
余力活用契約を締結するBESS・DR・発電事業者は、社内マニュアルの更新が必要になる。
図2:2026年7月1日までの実務対応チェックリスト
出典:送配電網協議会「余力の運用規程」第5版・「余力活用ガイド」第5版(2026年6月18日公表)。
余力活用契約を締結するBESS・DR・発電事業者は、事前審査様式・精算様式・運用指令・実績管理に関する社内マニュアルを第5版に合わせて更新する必要がある。実施日が迫っているため、以下を期限管理して進めたい。
- 余力活用契約まわりの社内マニュアル(事前審査様式・精算様式)を第5版に合わせて更新する(期限:2026年7月1日)。
- 需給調整市場と二重参加するリソースについて、指令の優先順位・計量値・精算データ・アセスメント対象の切り分けを確認する。
- EPRXの取引規程改定(同日適用)と両規程セットで読み合わせ、運用指令・実績管理の手順に不整合がないか点検する。
読者別の緊急度
一般投資家には間接的な情報。余裕があれば市場ルールの動向として押さえたい。
運用手順に影響する改定のため、7月1日の実施前に今週中の確認が望ましい。
二重参加リソースの整合確認が必要。両規程の読み合わせを今週中に行いたい。
よくある質問(Q&A)
余力の運用規程・余力活用ガイド第5版はいつから実施されますか?2026年7月1日に実施されます。EPRX(電力需給調整力取引所)の取引規程改定と同日の適用です。
第5版はどこが公表したものですか?送配電網協議会が「余力の運用規程」第5版と「余力活用ガイド」第5版を公表しました。
事前審査の様式はどうなりますか?事前審査ではEPRXの様式を利用する整理が示されています。
精算の様式はどう変わりますか?精算についても、需給調整市場との一体精算に対応した共通様式を使用する整理が示されています。
手数料の変更はありますか?直接的な手数料変更は公表されていません。詳細は一次資料参照です。
需給調整市場と余力活用契約の両方に同一リソースで参加する場合の注意点は?EPRX取引規程改定と同日適用となるため両規程の整合確認が必要です。指令の優先順位・計量値・精算データ・アセスメント対象の切り分けを2026年7月1日前に確認することが求められます。
編集部の見立て(独自分析)
独自分析
- EPRX取引規程と同日適用のため、需給調整市場と余力活用契約に同一リソースで参加する場合の整合確認が必須になる。規程を個別に読むのではなく、セットでの読み合わせが実務の要点。
- 事前審査・精算様式の共通化は事務負担を下げる一方、指令の切り分けミスのリスクを伴う。様式が同じだからこそ、どちらの制度分かを区分する社内管理の重要性が増す。
- 直接的な手数料変更は公表されておらず、今回の改定の中心は様式・手続きの整流化と読める。収益への直接影響よりも、運用オペレーションの改修が論点になる。
※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。
この記事のまとめ
送配電網協議会が「余力の運用規程」第5版と「余力活用ガイド」第5版を公表し、2026年7月1日に実施される。EPRXの取引規程改定と同日適用で、事前審査はEPRX様式を利用、精算は需給調整市場との一体精算に対応した共通様式を使用する。直接的な手数料変更は公表されていない。余力活用契約を締結するBESS・DR・発電事業者は事前審査・精算様式の社内マニュアルを更新し、需給調整市場と二重参加するリソースは指令の優先順位・計量値・精算データ・アセスメント対象の切り分けを7月1日前に確認する必要がある。
編集体制
執筆
BESSNEWS編集部
系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。
監修
BESS NEWS編集長
系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。
出典(一次情報)
- 送配電網協議会「余力の運用規程」第5版・「余力活用ガイド」第5版(2026年6月18日公表・2026年7月1日実施)
https://www.tdgc.jp/ - 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/04_系統・接続(送配電・系統増強)/送配電網協議会/(余力の運用規程・余力活用ガイド第5版)
本記事は2026年6月18日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。規程の詳細な条文・適用細則は一次資料で確認してください。
出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4619103102001/
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