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需給調整市場の取引規程・取引ガイドが第10版に ― 発動指令と調整力指令の優先順位を明文化、7月1日実施

電力需給調整力取引所(EPRX)は2026年6月18日、取引規程改定案への意見募集結果を公表し、改定後の取引規程・新旧対照表・全商品向け取引ガイド第10版を掲載した。実施日は2026年7月1日。機器点で参入するリソースが発動指令と調整力指令を同時に受けた場合の優先順位が明文化される。

このページの要点

  1. EPRXが取引規程・取引ガイド第10版を確定し、2026年7月1日に実施。意見募集結果・新旧対照表もあわせて公表された。
  2. 機器点参入で発動指令と調整力指令が重複した場合は発動指令を優先し、約定済み調整力を供出できない場合は代替不可申請が必要。受電点参入は従来どおり調整力指令を優先。
  3. 7月1日までにSoC制御・代替不可申請・アセスメント証跡の社内手順を更新する。直接的な市場手数料の変更は公表されていない。

出典:EPRX「取引規程等の公表」ページ・意見募集結果(2026年6月18日掲載)。

要旨 ― ひと言でいえば

需給調整市場のルールブックが新版に更新され、2026年7月1日からは全参加者が新しいルールで運用する。機器点で参入するリソースには「発動指令を優先し、供出できない約定分は代替不可申請を行う」という優先順位が明文化された。

目次

  1. 第10版で変わる点 ― 公表物・実施日・事前審査の緩和
  2. 発動指令と調整力指令の優先順位 ― 機器点参入と受電点参入の違い
  3. BESS・アグリゲーターの社内手順更新 ― 7月1日までの実務対応
  4. よくある質問(Q&A)
  5. 編集部の見立て(独自分析)
  6. 出典(一次情報)

第10版で変わる点 ― 公表物・実施日・事前審査の緩和

意見募集を経て改定内容が確定し、規程・ガイドの新版が一式で公表された。

電力需給調整力取引所(EPRX)は、需給調整市場に係る取引規程改定案への意見募集結果を公表するとともに、改定後の取引規程・取引規程新旧対照表・全商品向け取引ガイド第10版を掲載した。実施日は2026年7月1日である。

ルール本体の変更に加え、参入手続き面では小規模な機器点リソースの事前審査で敷地平面図を必須としない修正も実施される。一方、直接的な市場手数料の変更は公表されていない。

一次資料の記載(要旨)

取引規程改定案への意見募集結果を公表し、改定後の取引規程・取引規程新旧対照表・全商品向け取引ガイド第10版を掲載。実施日は2026年7月1日。

— EPRX 取引規程等の公表(2026年6月18日)

発動指令と調整力指令の優先順位 ― 機器点参入と受電点参入の違い

同一リソースに2つの指令が重なったとき、どちらに従うかが参入形態別に整理された。

図1:指令が重複した場合の優先順位(参入形態別)

取引ガイド第10版の指令優先順位。機器点参入は発動指令を優先し代替不可申請が必要、受電点は調整力指令を優先

出典:EPRX 取引規程・取引ガイド第10版(2026年7月1日実施)・取引規程新旧対照表。

今回の改定の中心は、機器点で参入するリソースが調整力提供中に、発動指令電源としての発動指令を受けた場合の扱いである。この場合は発動指令を優先し、約定済みの調整力を供出できない場合は代替不可申請が必要となる。受電点で参入するリソースは従来どおり調整力指令を優先する。

容量市場の実効性テストと需給調整市場の約定が重なるケースでは、代替不可申請の漏れがペナルティ判定につながり得る。指令の重複が起こり得る運用パターンを事前に洗い出しておくことが重要になる。

BESS・アグリゲーターの社内手順更新 ― 7月1日までの実務対応

施行日は確定済み。社内手順とシステムへの反映が7月1日までの宿題になる。

図2:7月1日までに更新する社内手順と精読する公表物

需給調整市場の取引ガイド第10版への実務対応。SoC制御・代替不可申請・アセスメント証跡の社内手順を7月1日までに更新

出典:EPRX「取引規程等の公表」(2026年6月18日掲載)。直接的な市場手数料の変更は公表されていない。

BESS・DR・VPP・アグリゲーターは、発動指令と調整力指令が重複した場合の優先順位、SoC制御、代替不可申請、アセスメント証跡の社内手順を2026年7月1日までに更新する必要がある。変更点の正確な把握には、公表された取引ガイド第10版と新旧対照表の精読が近道になる。

  • 代替不可申請・SoC制御・アセスメント証跡の社内手順を更新する(期限:2026年7月1日)。
  • 取引ガイド第10版・新旧対照表を精読し、変更点を運用システムへ反映する。
  • 機器点参入のリソースについて、発動指令と調整力指令が重複し得る運用パターンと申請フローを確認する。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)2/5

投資判断への影響は間接的。市場ルールが更新された事実の把握で足りる。

中級(建設・メーカー・設計)4/5

設計・運用手順に影響。7月1日施行に向けた確認を今週中に。

上級(事業者・アグリゲーター)5/5

市場運用の即時対応が必要。社内手順・システム反映を直ちに。

よくある質問(Q&A)

取引規程・取引ガイド第10版はいつから実施されますか?

実施日は2026年7月1日です。EPRXが意見募集結果とあわせて、改定後の取引規程・新旧対照表・全商品向け取引ガイド第10版を公表しています。

発動指令と調整力指令が重複した場合、どちらが優先されますか?

機器点で参入するリソースが調整力提供中に発動指令電源としての発動指令を受けた場合は、発動指令を優先します。受電点で参入する場合は従来どおり調整力指令を優先します。

代替不可申請が必要になるのはどのような場合ですか?

機器点参入のリソースが発動指令を優先した結果、約定済みの調整力を供出できない場合に、代替不可申請が必要になります。

事前審査は何が変わりますか?

小規模な機器点リソースの事前審査で、敷地平面図を必須としない修正が実施されます。

市場手数料は変わりますか?

直接的な市場手数料の変更は公表されていません。

今回何が公表されましたか?

取引規程改定案への意見募集結果、改定後の取引規程、取引規程新旧対照表、全商品向け取引ガイド第10版が公表・掲載されました。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • 発動指令電源と調整力の重複時の優先順位が明文化されたことは、容量市場の実効性テストと需給調整市場の約定が重なる運用での申請漏れリスクを顕在化させる。運用パターンの棚卸しが先決になる。
  • 機器点リソースの事前審査で敷地平面図を必須としない緩和は、小規模分散リソースの参入障壁を下げる方向に働く。
  • 直接的な手数料変更は今回なく、コスト構造よりも運用ルールの整備が主眼の改定と読める。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。

この記事のまとめ

EPRXが需給調整市場の取引規程・取引ガイド第10版を確定し、2026年7月1日に実施する。機器点で参入するリソースが調整力提供中に発動指令を受けた場合は発動指令を優先し、約定済み調整力を供出できない場合は代替不可申請が必要になる。受電点参入は従来どおり調整力指令を優先。小規模機器点リソースの事前審査で敷地平面図を必須としない緩和も実施される一方、直接的な手数料変更は公表されていない。市場参加者は7月1日までにSoC制御・代替不可申請・アセスメント証跡の社内手順を更新したい。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。

監修

BESS NEWS編集長

系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。

出典(一次情報)

  1. 電力需給調整力取引所(EPRX)「取引規程等の公表」(改定後の取引規程・新旧対照表・全商品向け取引ガイド第10版、2026年6月18日掲載)
    https://www.eprx.or.jp/outline/announcement.html
  2. 電力需給調整力取引所(EPRX)「意見募集・説明会」(取引規程改定案への意見募集結果)
    https://www.eprx.or.jp/outline/business.html
  3. 保存済み一次資料PDF:02.04_蓄電池情報/01_市場制度(OCCTO・EPRX・JEPX)/EPRX/20260618_EPRX_取引ガイド第10版_20260701実施.pdf ほか(取引規程・新旧対照表・意見募集回答の同日掲載分)

本記事は2026年6月18日公表の一次資料のみに基づいています(対象日より後の情報は含みません)。規程・ガイドの詳細条文は一次資料を参照してください。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4619103102002/

本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。

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