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託送収入見通しの変更申請を経産省が受理 ― 対象は8社、「国民の声」は2026年8月8日必着

経済産業省が2026年7月10日、一般送配電8社の託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請を受理し、あわせて「国民の声」の意見募集を始めた。締切は8月8日必着。託送コストの前提に意見を出せる窓が開いている。

#資源エネルギー庁#パブコメ・意見募集#託送料金・収入見通し#レベニューキャップ期中調整#発電側課金

このページの要点

  1. 経済産業省が2026年7月10日、一般送配電8社(北海道NW・東北NW・東京PG・中部PG・関西送配電・四国送配電・九州送配電・沖縄)の託送収入見通しの変更承認申請を電気事業法第17条の2第4項に基づき受理し、「国民の声」の意見募集を7月10日から8月8日必着で開始した。
  2. 申請理由は、事業計画策定時に想定できなかった人件費・物価関連指標の上昇に加え、金利上昇に伴う支払利息の増加を収入の見通しに反映する期中調整である。審査は電力・ガス取引監視等委員会が中立的・客観的・専門的な観点から行う。
  3. 7月10日既報のTSO各社の申請の政府側受理にあたる。7月10日報では6社を採録していたが、政府の受理では東北電力NWと四国電力送配電を含む8社であることが確認された。

出典:経済産業省 報道発表(一般送配電事業者8社の託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請の受理および「国民の声」の意見募集、2026年7月10日)。

要旨 ― ひと言でいえば

送電会社が「送電網の運営予算」を物価高と金利高を理由に積み増す申請を、国がまとめて受理し、意見があれば出してほしいと国民に開いた段階である。前日の発表は申請を出した側、今回は受け取って審査を回し始めた側である。

目次

  1. 何が起きたか ― 8社の申請受理と意見募集の開始
  2. 期中調整の位置づけと、監視委による審査の流れ
  3. BESSへの影響と、8月8日までにできること
  4. よくある質問(Q&A)
  5. 編集部の見立て(独自分析)
  6. 出典(一次情報)

何が起きたか ― 8社の申請受理と意見募集の開始

前日の各社発表と今回の政府発表は、同じ案件の別の側面である。

図1:受理は8社/TSO各社の発表で把握できる6社とのズレ

託送収入見通し変更申請の受理は8社。東北電力NWと四国電力送配電が加わり、国民の声の意見募集が始まった図。

出典:経済産業省 報道発表(一般送配電事業者8社の託送収入見通しの変更承認申請の受理および「国民の声」の意見募集、2026年7月10日)。

経済産業省は2026年7月10日、一般送配電事業者8社から電気事業法第17条の2第4項の規定に基づく託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請を受理したと公表した。同時に、申請の適正性について「国民の声」の意見募集を開始している。対象は北海道電力ネットワーク、東北電力ネットワーク、東京電力パワーグリッド、中部電力パワーグリッド、関西電力送配電、四国電力送配電、九州電力送配電、沖縄電力の8社で、各社の申請書と事業計画は別紙1から8に収められている。

ここで確認しておきたい違いがある。同じ7月10日にTSO各社が出したプレスリリースからは6社が把握できていたが、政府の受理発表では東北電力NWと四国電力送配電を加えた8社である。申請を出した側の発表だけを追っていると、対象事業者を取りこぼす。担当エリアが該当するかどうかは、この8社の一覧で確認する必要がある。

一次資料の記載(要旨)

電気事業法第17条の2第4項の規定に基づき、一般送配電事業者8社から託送供給等に係る収入の見通しの変更承認申請を受理した。あわせて、当該申請の適正性について「国民の声」の意見募集を行う。意見募集期間は令和8年7月10日(金)から令和8年8月8日(土)必着とする。

— 経済産業省 報道発表(2026年7月10日)

期中調整の位置づけと、監視委による審査の流れ

承認までの経路は二段構えになっている。

本申請はレベニューキャップ制度の期中調整である。期初に事業計画をもとに設定した「収入の見通し」と、規制期間中の費用実績との間には乖離が生じる。そのうちエネルギー政策の変更や一般送配電事業者の裁量によらない外生的な費用変動を、規制期間の途中で収入の見通しに反映する仕組みが期中調整にあたる。今回申請理由として挙げられているのは、人件費と物価関連指標の上昇、そして金利上昇に伴う支払利息の増加である。

翌期の調整ではなく期中の調整であることが、この案件の時間軸を決めている。だからこそ2026年内の料金反映につながる。審査は電力・ガス取引監視等委員会が中立的・客観的かつ専門的な観点から行い、その意見を踏まえて経済産業大臣が対応する。承認後は各社が託送供給等約款の変更届出を行う流れになる。

6月24日に申請された託送供給等約款の変更(用地権原の2か月要件など)は、今回の収入見通しの変更とは別の手続きである。

BESSへの影響と、8月8日までにできること

蓄電池は充電側と放電側の両方で託送制度に触れるため、影響は二経路で入る。

図2:「国民の声」の提出3窓口と、8月8日必着までにできること

国民の声の意見提出はe-Gov・郵送・電子メールの3窓口、8月8日必着。託送料金と発電側課金の再計算を示す図。

出典:経済産業省 報道発表(2026年7月10日)、および7月10日のTSO各社プレスリリース。

系統用蓄電池は充電時に需要側として託送料金を負担し、放電側には発電側課金が適用される。収入見通しの増額は、将来の託送単価と課金水準の前提そのものである。7月10日既報のとおり承認後は2026年11月1日から新料金が適用される予定であり、収支モデルはその日付を境に置き換える必要がある。

意見提出の窓は3つ

意見の提出方法は、e-Govの意見提出フォーム、郵送(資源エネルギー庁 電力産業・市場室「国民の声」担当)、電子メール(意見提出様式を添付)の3つである。対象資料はe-Govと経済産業省のサイトから入手できる。期限は2026年8月8日(土)必着。

託送コストがBESS収支の主要変数である以上、料金水準や費用配賦の考え方に事業者が直接意見を出せる場は多くない。この意見募集は数少ない公式窓口である。エリア別の増額規模を別紙で確認し、自社の収支に効く論点があれば期限内に出しておく判断はありうる。

  • 自社BESSの収支モデルを、2026年11月1日適用予定の新託送料金と発電側課金の上昇を前提に再計算する。
  • 「国民の声」の対象資料をe-Govまたは経済産業省サイトから入手し、料金水準・費用配賦への意見提出を2026年8月8日必着までに検討する。
  • 各社別紙(申請書・事業計画)で、自社が連系するエリアの収入見通し増額と単価改定の見込みを確認する。
  • 対象が8社であることを前提に、担当エリアが東北電力NW・四国電力送配電を含むかどうかを確認する。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)2/5

投資判断には託送費の上昇として間接的に影響する。

中級(建設・メーカー・設計)3/5

収支前提の更新材料として押さえておきたい。

上級(事業者・アグリゲーター)4/5

料金適用前提の再計算と、意見提出の可否判断を即時に行う対象。

よくある質問(Q&A)

「国民の声」の意見募集はいつまでですか?

2026年7月10日(金)から8月8日(土)必着です。e-Govの意見提出フォーム、郵送(資源エネルギー庁 電力産業・市場室「国民の声」担当)、電子メール(意見提出様式を添付)の3つの方法で提出できます。

対象となる一般送配電事業者は何社ですか?

8社です。北海道電力ネットワーク、東北電力ネットワーク、東京電力パワーグリッド、中部電力パワーグリッド、関西電力送配電、四国電力送配電、九州電力送配電、沖縄電力が対象で、各社の申請書と事業計画は別紙1から8に収められています。

7月10日の各社発表では6社だったのはなぜですか?

TSO各社が出したプレスリリースから把握できたのが6社だったためです。経済産業省の受理発表では東北電力NWと四国電力送配電を加えた8社であることが確認されました。対象事業者の数は政府側の一次発表で突き合わせる必要があります。

申請の理由は何ですか?

レベニューキャップ制度の期中調整として、事業計画策定時に想定できなかった人件費・物価関連指標の上昇に加え、金利上昇に伴う支払利息の増加を「収入の見通し」に反映するためです。

誰が審査するのですか?

電力・ガス取引監視等委員会が中立的・客観的かつ専門的な観点から審査し、その意見を踏まえて経済産業大臣が対応します。承認後は各社が託送供給等約款の変更届出を行います。

系統用蓄電池の収支にはどう影響しますか?

充電時は需要側として託送料金を負担し、放電側には発電側課金が適用されるため、影響は2つの経路で入ります。7月10日既報のとおり承認後は2026年11月1日から新託送料金が適用される予定で、その日付を境に収支モデルを置き換える必要があります。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • 受理されたのは8社である。7月10日のTSO側プレスからは北海道・東京・中部・関西・九州・沖縄の6社を採録していたが、経済産業省の受理発表で東北電力NWと四国電力送配電を加えた8社であることが確定した(中国NW・北陸送配電は今回の8社に含まれない)。取りこぼしを防ぐ観点で、政府側の一次発表と機関数を突き合わせる価値が高い事例である。
  • 制度的な位置づけはレベニューキャップ制度の期中調整である。期初に事業計画をもとに設定した収入の見通しと規制期間中の費用実績の乖離のうち、エネルギー政策の変更や一般送配電事業者の裁量によらない外生的な費用変動を規制期間中に反映する。翌期調整ではなく期中調整である点が、2026年内の料金反映につながっている。
  • 審査主体は電力・ガス取引監視等委員会で、その意見を踏まえて経済産業大臣が対応する二段構えである。承認後に各社が託送供給等約款の変更届出を行い新料金が適用される(7月10日既報では2026年11月1日適用予定)。
  • BESSへの影響経路は前日の報道から変わらない。充電(受電)は需要側として託送料金を負担し、放電(発電側)にはkW・kWh課金が適用される。今回加わったのは意見提出の窓口である。料金水準と費用配賦の考え方に対し、事業者・アグリゲーターが8月8日まで直接意見を出せる。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、一次資料に記載された決定事項ではありません。

この記事のまとめ

経済産業省は2026年7月10日、一般送配電8社の託送収入見通しの変更承認申請を受理し、その適正性について「国民の声」の意見募集を始めた。締切は8月8日必着で、e-Gov・郵送・電子メールで提出できる。審査は電力・ガス取引監視等委員会が行い、その意見を踏まえて大臣が対応する。7月10日既報では6社だったが、政府の受理では東北電力NWと四国電力送配電を加えた8社が対象である。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づいて解説する編集部。審議会資料・約款・公募要領を原文で確認して記事化しています。

監修

BESS NEWS編集長

託送制度の審査プロセスと意見提出手続を担当。本記事では対象事業者の数について、TSO各社のプレスリリースと経済産業省の受理発表を突き合わせて確認した。

出典(一次情報)

  1. 経産省 8社の託送収入見通し変更申請「国民の声」募集
    https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260710005.html
  2. 経産省 8社から託送収入見通し変更承認申請を受理(別紙1〜8)
    https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260710001.html

本記事は2026年7月11日時点で公表された一次資料に基づきます。以後の改訂・追加公表は反映していません。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4621403102001/

本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。

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