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託送供給等に係る収入の見通しの期中調整 ― 一般送配電8社の変更申請と国民の声、2026年11月の託送料金改定へ

一般送配電各社は2026年7月10日、託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請を経済産業大臣に提出し、経産省は同日これを受理して「国民の声」意見募集を8月8日まで開始した。物価・労務費・金利の上昇を反映した増額申請で、東電PGは第一規制期間5年計で2,516億円増。承認後は2026年11月1日から新託送料金が適用される予定である。

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このページの要点

  1. 一般送配電各社が2026年7月10日、託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請を経済産業大臣に提出。経産省が同日受理し、「国民の声」意見募集を2026年8月8日必着で開始。政府受理の対象は8社(北海道NW・東北NW・東京PG・中部PG・関西送配・四国送配・九州送配・沖縄)。
  2. 申請額(第一規制期間2023〜2027年度の5年計)は東電PG +2,516億円(7兆6,062億円)、関西 +1,496億円、中部 +1,374億円、北海道 +544億円、沖縄 +157億円など。根拠は電気事業法第17条の2第4項(レベニューキャップの期中調整)。
  3. 背景は物価・労務費・金利の上昇(外生的費用変動)。国の審査・承認を経て約款変更届出を行い、2026年11月1日から新託送料金を適用予定。6月24日申請の託送約款変更(用地権原2か月要件等・10月1日実施予定)とあわせ、ルール改定(10月)→料金改定(11月)が連続する。

出典:経済産業省プレス(2026年7月10日受理・国民の声)、一般送配電各社プレス(2026年7月10日申請)。

要旨 ― ひと言でいえば

電気を送る「通行料」=託送料金が上がる方向の政府審査が正式に動き出した。物価・労務費・金利の上昇を反映する期中調整で、11月1日に新料金が適用される見込み。系統用蓄電池は充電(需要側託送料金)と放電(発電側課金の前提)の両方でコスト前提が動くため、収支計画の更新が急務になる。

目次

  1. 何が起きたか ― 申請と政府受理・国民の声
  2. 申請額とエリア別の増額幅
  3. スケジュールと系統用蓄電池への二重の影響
  4. よくある質問(Q&A)
  5. 編集部の見立て(独自分析)
  6. 出典(一次情報)

何が起きたか ― 申請と政府受理・国民の声

事業者の申請と、政府による受理・意見募集が同じ7月10日に動いた。

一般送配電各社は2026年7月10日、託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請を経済産業大臣に提出した。根拠は電気事業法第17条の2第4項で、レベニューキャップ制度における収入見通しの期中調整にあたる。経済産業省は同日これを受理し、あわせて「国民の声」意見募集を2026年7月10日〜8月8日必着で開始した。

一次資料の記載(要旨)

電気事業法第17条の2第4項に基づき、一般送配電事業者から託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請を受理。申請理由は、事業計画策定時に想定できなかった人件費・物価関連指標の上昇に加え、金利上昇に伴う支払利息の増加を「収入の見通し」に反映するもの。審査は電力・ガス取引監視等委員会が中立的・客観的・専門的観点から実施する。

— 経済産業省プレス(2026年7月10日)

政府の受理対象は8社(北海道電力NW・東北電力NW・東京電力PG・中部電力PG・関西電力送配電・四国電力送配電・九州電力送配電・沖縄電力)である。※各社の同日プレスでは主要6社の申請が先に確認されたが、政府の受理公表では東北電力NW・四国電力送配電を含む8社であることが確認された。

申請額とエリア別の増額幅

増額幅はエリアで大きく異なる。東電PG・関西が大きい。

第一規制期間(2023〜2027年度)の5年計での申請額と増額は次のとおり。

図1:託送収入見通しの増額幅(第一規制期間5年計・億円)

東電PG+2,516
関西+1,496
中部+1,374
北海道+544
沖縄+157

出典:一般送配電各社プレス(2026年7月10日)。九州電力送配電も申請(額は同社別紙)。東北NW・四国送配は政府受理対象8社に含む。

会社申請額(5年計)増額
東京電力PG7兆6,062億円+2,516億円
関西送配電3兆7,626億円+1,496億円
中部電力PG3兆2,979億円+1,374億円(年平均+970億円)
北海道電力NW1兆603億円+544億円
沖縄電力3,621億円+157億円

増額の背景は物価・労務費・金利の上昇(外生的費用変動)である。たとえば北海道電力NWの内訳は、物価・金利462億円+制御不能費用の実績乖離58億円+市場約定・公募24億円と説明されている。審査は電力・ガス取引監視等委員会が担い、審査過程で査定・圧縮される可能性がある。

スケジュールと系統用蓄電池への二重の影響

ルール改定(10月)と料金改定(11月)が連続する。

図2:託送ルール・料金の改定スケジュール(予定)

6月24日託送約款変更申請(用地権原2か月要件等・10月1日実施予定)
7月10日収入見通し変更(期中調整)申請・政府受理/国民の声開始
8月8日国民の声意見募集の締切(必着)
10月1日託送約款変更の実施予定(ルール改定)
11月1日新託送料金の適用予定(料金改定)

出典:経済産業省・一般送配電各社プレス(2026年7月10日)ほか。日付はいずれも予定。

系統用蓄電池への影響は充電時の需要側託送料金の上昇発電側課金の前提となる収入見通しの増額という二重の経路で及ぶ。

経路1:充電

充電時に支払う需要側の託送料金が上昇方向。変動費前提の更新が必要。

経路2:放電

発電側課金の前提となる収入見通しが増額。放電側のコスト前提も動く。

  • 2026年11月1日適用を織り込み、収支計画・入札戦略(長期脱炭素・容量市場・需給調整)の変動費前提を新単価で更新する。
  • エリア別の増額幅(東電PG・関西が大きい)を立地選定のコスト比較に反映する。
  • 審査で査定・圧縮される可能性があるため、承認額と実際の約款単価の確定を継続確認する。
  • 託送コストは収支の主要変数。必要に応じ8月8日までの「国民の声」での意見提出を検討する。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)3/5

託送料金上昇が事業採算に効く点を理解しておく。

中級(建設・メーカー・設計)4/5

エリア別コスト差と適用時期を設計・見積の前提に。

上級(事業者・アグリゲーター)5/5

11/1適用の収支更新と意見提出(〜8/8)に直結。

よくある質問(Q&A)

何が申請され、いつ受理されましたか?

一般送配電各社が2026年7月10日、託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請を経済産業大臣に提出し、経産省が同日これを受理しました。根拠は電気事業法第17条の2第4項(レベニューキャップ制度の期中調整)です。政府の受理対象は8社(北海道NW・東北NW・東京PG・中部PG・関西送配・四国送配・九州送配・沖縄)です。

申請額はどのくらいですか?

第一規制期間(2023〜2027年度)の5年計で、東電PGが2,516億円増の7兆6,062億円、関西が1,496億円増の3兆7,626億円、中部が1,374億円増の3兆2,979億円、北海道が544億円増の1兆603億円、沖縄が157億円増の3,621億円などです。九州も申請しており、金額は同社別紙に記載されています。

なぜ増額の申請なのですか?

事業計画策定時に想定できなかった物価・労務費の上昇に加え、金利上昇に伴う支払利息の増加を「収入の見通し」に反映する期中調整です。レベニューキャップ制度における外生的費用変動の事後調整にあたります。審査は電力・ガス取引監視等委員会が中立的・客観的・専門的観点で実施します。

新しい託送料金はいつから適用されますか?

国の審査・承認を経て託送供給等約款の変更届出を行い、2026年11月1日から新託送料金を適用する予定です。なお6月24日申請の託送約款変更(非FIT/非FIP電源の用地使用権原2か月要件等)は2026年10月1日実施予定で、ルール改定(10月)と料金改定(11月)が連続します。

意見はどこで出せますか?

経産省の「国民の声」意見募集が2026年7月10日〜8月8日必着で行われています。提出方法はe-Gov意見提出フォーム、郵送、電子メール(意見提出様式を添付)です。託送コストは系統用蓄電池の収支の主要変数であり、料金水準・費用配賦・期中調整の考え方に事業者が意見を出せる公式窓口です。

系統用蓄電池への影響は?

充電時の需要側託送料金の上昇と、発電側課金の前提となる収入見通しの増額という二重の経路で影響します。2026年11月1日以降の収支計画・入札戦略(長期脱炭素・容量市場・需給調整)の変動費前提を新単価で更新する必要があります。エリア別の増額幅(東電PG・関西が大きい)は立地選定のコスト比較にも影響します。審査過程で査定・圧縮される可能性があるため、承認額と実際の約款単価の確定を継続確認すべきです。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • 物価・労務費に加え金利上昇に伴う支払利息の増加が期中調整の理由に明記された点は、資本集約的な系統投資のコスト構造を反映する。託送料金は今後も金利環境で動きうる変数として見ておくべきである。
  • ルール改定(10/1・用地権原2か月要件等)→料金改定(11/1・新託送料金)の連続スケジュールは、新設BESSの開発・収支の両面に同時期に効く。秋以降の事業計画は両方を織り込む必要がある。
  • 託送料金はBESSの充電・放電双方のコスト前提に効くため、収支感応度が高い事業者ほど承認額の確定と約款単価のウォッチ、そして8/8までの意見提出の実益が大きい。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、確定情報ではありません(2026年7月時点)。申請額は審査で査定・変更され得ます。

この記事のまとめ

一般送配電各社は2026年7月10日、託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請を経済産業大臣に提出し、経産省が同日受理して「国民の声」意見募集を8月8日必着で開始した(政府受理対象は8社)。根拠は電気事業法第17条の2第4項で、物価・労務費・金利の上昇を反映する期中調整である。第一規制期間5年計での増額は東電PG+2,516億円、関西+1,496億円、中部+1,374億円、北海道+544億円、沖縄+157億円など。国の審査・承認を経て約款変更届出を行い、2026年11月1日から新託送料金が適用される予定で、6月24日申請の託送約款変更(10月1日実施予定)と連続する。系統用蓄電池は充電(需要側託送料金)と放電(発電側課金の前提)の双方でコスト前提が動くため、11月1日適用を織り込んだ収支計画の更新と、承認額・約款単価の確定の継続確認が求められる。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づき解説する専門編集チーム。

監修

BESS NEWS編集長

系統用蓄電池の制度・系統運用を専門とする社内専門家。本記事の制度記述・数値を確認。

出典(一次情報)

  1. 経済産業省「一般送配電事業者からの託送供給等に係る収入の見通しの変更(期中調整)承認申請の受理」/「国民の声」意見募集(2026年7月10日)
    https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260710005.htmlhttps://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260710001.html(別紙1〜8)
  2. 東京電力パワーグリッド プレス(2026年7月10日)
    https://www.tepco.co.jp/pg/company/press-information/press/2026/pdf/26x2301.pdf
  3. 関西電力送配電 プレス
    https://www.kansai-td.co.jp/corporate/press-release/2026/pdf/0710_1j_01.pdf
  4. 中部電力パワーグリッド プレス
    https://powergrid.chuden.co.jp/news/press/1218086_3281.html
  5. 北海道電力ネットワーク お知らせ
    https://www.hepco.co.jp/network/info/2026/1253138_2077.html
  6. 九州電力送配電 プレス
    https://www.kyuden.co.jp/td/press/2026/260710.html / 沖縄電力 プレス https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2026/260710.pdf

本記事は2026年7月10日公表の一次資料に基づいています。申請額は電力・ガス取引監視等委員会の審査を経て変更される可能性があります。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4621503102003/

本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。

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