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容量市場2030年度の要綱に「やむを得ない場合」が入った ― 追加登録期限超過による全量退出からの除外が蓄電池にも及ぶ

OCCTOは第75回容量市場検討会で、2026年度メインオークション募集要綱の意見募集結果を公表した。意見は33件(13者)で制度変更を要する新論点はなく、追加登録期限超過による全量退出から「やむを得ないと判断する場合」を除く記載明確化が行われた。

#電力広域的運営推進機関#結果公表#段階:決定#容量#制度

このページの要点

  1. 意見募集(2026-06-30〜07-13)に33件・13者の意見が寄せられ、制度変更を要する新論点はなかった
  2. 追加登録期限超過による全量退出から、本機関がやむを得ないと判断する場合を除く旨を要綱に追記
  3. 追記は安定電源と変動電源(単独)の両方に及び、蓄電池の開発遅延リスクの緩和材料になる

出典:電力広域的運営推進機関 第75回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料3(2026年7月28日)。

要旨 ― ひと言でいえば

「締切に間に合わなければ即失格」というルールに、「正当な理由があれば救済する」という但し書きが付いた形である。

目次

  1. 意見募集の結果 ― 33件・13者、制度変更を要する新論点はなし
  2. 全量退出の例外規定をどう読むか
  3. 応札準備への影響 ― リスク評価の更新と期限管理
  4. よくある質問(Q&A)
  5. 編集部の見立て(独自分析)
  6. 出典(一次情報)

意見募集の結果 ― 33件・13者、制度変更を要する新論点はなし

寄せられた意見の量よりも、事務局が制度を動かさなかったという判断のほうが実務には効く。

図1:意見募集を経て変わった点と変わらなかった点

容量市場2030年度の募集要綱への意見33件・13者、制度変更を要する新論点なし、記載明確化1点という意見募集結果を示した図

出典:電力広域的運営推進機関 第75回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料3。

OCCTOは第75回容量市場の在り方等に関する検討会の資料3で、2026年度メインオークション(対象実需給年度2030年度)募集要綱に対する意見募集の結果を公表した。募集期間は2026年6月30日から7月13日まで、寄せられた意見は33件・13者である。

事務局はこれらの意見について、制度変更を要する新たな論点はなかったと整理した。つまり2030年度向けの応札ルールは、意見募集を経ても骨格が変わっていない。変わったのは1点、全量退出に関する記載の明確化だけである。

全量退出の例外規定をどう読むか

原則は変わらず全量退出である。追記されたのは、その原則から外れる場合の明文根拠だけである。

図2:追加登録期限超過による全量退出と、追記された例外

追加登録期限2030年1月末の超過による全量退出から、やむを得ないと判断する場合を除く追記が蓄電池にも及ぶことを示した図

出典:電力広域的運営推進機関 第75回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料3。

募集要綱では、追加登録期限(2030年1月末予定)までに電源等情報の追加登録がない場合、市場から全量退出となる扱いが定められている。今回の記載明確化は、この全量退出から「実需給期間中に供給力提供開始する等、本機関がやむを得ないと判断する場合」を除外する旨を明記したものである。

一次資料の記載(要旨)

追加登録期限(2030年1月末予定)までに電源等情報の追加登録がない場合の市場退出(全量退出)から、実需給期間中に供給力提供開始する等、本機関がやむを得ないと判断する場合を除く旨を、安定電源および変動電源(単独)の両方に追記する。

— OCCTO 第75回 容量市場の在り方等に関する検討会 資料3

注目すべきは追記された範囲である。安定電源だけでなく変動電源(単独)にも同じ文言が置かれた。蓄電池は変動電源(単独)として容量市場に参加するため、この例外の対象に含まれる。

該当するかどうかの判断はOCCTOに委ねられており、資料には具体的な該当例の一覧は示されていない。

応札準備への影響 ― リスク評価の更新と期限管理

例外の明記はリスクの前提を1段下げるが、期限そのものの管理義務は消えない。

2030年度実需給を狙う蓄電池案件は、応札から実需給の開始までに数年の開発期間を挟む。系統接続工事や機器の納期が動けば、2030年1月末の追加登録期限に間に合わない可能性は常に残る。従来はそこで全量退出という帰結が読める形になっていたため、リスク評価では最悪ケースとして織り込む必要があった。

今回の追記により、実需給期間中に供給力提供を開始する等の状況では救済され得る明文根拠ができた。最悪ケースの確率を引き下げる材料として応札戦略のリスク評価を更新できる。ただし例外の適用はOCCTOの判断であり、工程遅延そのものを許容する規定ではない。

  • 2030年度実需給向けの応札を予定する蓄電池事業者は、7月30日公表の確定版募集要綱で全量退出の例外に関する文言を原文で確認する。
  • 追加登録期限(2030年1月末予定)を開発工程表に明記し、電源等情報の追加登録に必要な情報がいつ揃うかを逆算する。
  • 応札判断のリスク評価から全量退出を最悪ケースとして扱っている場合は、例外規定の追記を反映して前提を更新する。
  • 例外の適用はOCCTOの判断となるため、遅延が生じた場合に説明できる工程管理の記録を残す運用に切り替える。

読者別の緊急度

初級(投資家・土地オーナー)1/5

投資判断の前提を動かす内容ではない。要綱の文面が明確になった段階の話である。

中級(建設・メーカー・設計)1/5

設備仕様や施工要件に影響しない。

上級(事業者・アグリゲーター)4/5

応札のリスク評価に直結する。確定版要綱の文言を確認し、開発遅延時の扱いを見直したい。

よくある質問(Q&A)

2026年度メインオークション募集要綱の意見募集にはどれだけ意見が集まりましたか?

33件・13者からの意見が寄せられました。意見募集期間は2026年6月30日から7月13日までです。

意見募集の結果、制度は変更されましたか?

制度変更を要する新たな論点はなかったと事務局は判断しています。行われたのは記載の明確化で、全量退出に関する例外を要綱の文面に追記するものです。

追加登録期限を過ぎるとどうなりますか?

追加登録期限(2030年1月末予定)までに電源等情報の追加登録がない場合は市場から全量退出となります。今回、そこから「本機関がやむを得ないと判断する場合」を除く旨が明記されました。

「やむを得ないと判断する場合」とは具体的に何を指しますか?

要綱では実需給期間中に供給力提供を開始する等、本機関がやむを得ないと判断する場合と記載されています。個別の該当性はOCCTOの判断となり、資料に具体的な該当例の一覧は示されていません。

この例外は蓄電池にも適用されますか?

適用されます。記載明確化は安定電源と変動電源(単独)の両方に追記されたため、変動電源(単独)として参加する蓄電池も対象に含まれます。

応札を予定している事業者は何を確認すべきですか?

7月30日に公表される確定版の募集要綱で、全量退出の例外に関する文言を実際に確認することです。あわせて追加登録期限の2030年1月末を工程表に落とし込み、期限管理の責任が残る前提で計画を組む必要があります。

編集部の見立て(独自分析)

独自分析

  • 「やむを得ないと判断する場合」の該当性はOCCTOの判断に委ねられる。系統接続工事や機器納期の遅れで追加登録が間に合わない場面の救済根拠になり得る一方、恣意的な運用を避けるには実務上の該当例の蓄積が要ると見ている。
  • 事務局が「制度変更を要する新論点はなかった」と整理したことは、2030年度向けのルールがこの段階で実質固まったという意味でもある。応札の前提条件はここから大きく動かないと考えて準備を進めてよい。
  • 記載明確化が安定電源と変動電源(単独)の両方に入った点は重要である。蓄電池だけを対象にした特例ではなく、電源区分をまたいで同じ文言が置かれたため、区分の違いによる有利不利は生じにくい。
  • 例外があること自体を工程計画の甘さの言い訳にはできない。あくまで実需給期間中に供給力提供を開始する等の状況を前提にした除外であり、期限管理そのものは応札者側の責任として残る。

※本ブロックは一次資料の事実に基づく編集部の見立てであり、一次資料に記載された決定事項ではありません。

この記事のまとめ

OCCTOは第75回容量市場検討会で、2026年度メインオークション(対象実需給2030年度)募集要綱の意見募集結果を公表した。意見は33件・13者で、制度変更を要する新論点はないと事務局は判断した。記載明確化として、追加登録期限(2030年1月末予定)超過による全量退出から、やむを得ないと判断する場合を除く旨が安定電源と変動電源(単独)の両方に追記された。

編集体制

執筆

BESSNEWS編集部

系統用蓄電池の制度・市場・ファイナンスを一次資料に基づいて解説する編集部。審議会資料・約款・公募要領を原文で確認して記事化しています。

監修

BESS NEWS編集長

容量市場の制度設計と応札実務を担当。本記事の記載内容は第75回容量市場の在り方等に関する検討会・資料3の意見募集結果と突き合わせて確認した。

出典(一次情報)

  1. OCCTO 第75回 容量市場の在り方等に関する検討会
    https://www.occto.or.jp/iinkai/youryou_kentoukai/75.html

本記事は2026年7月28日時点で公表された一次資料に基づきます。以後の改訂・追加公表は反映していません。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4623103102003/

本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。

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