櫻貿易株式会社
制度・政策・審議会上級

100kW未満の業務用蓄電池補助金、交付決定はまだ1者——締切まで残60日、いま動くなら何を確認するか

2026年8月28日17:00、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が令和7年度補正「業務産業用蓄電システム導入支援事業」の交付決定の公表ページを開設しました。交付決定日は2026年8月28日です。

この記事を読む価値(自家消費側の案件を持っている方へ)

そこに載っているのは1者だけです。株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市)、補助金交付決定額 7,423,633円。公募が始まったのは2026年3月24日なので、5か月が経ってこの状態ということになります。

締切は2026年10月30日、本記事の公開日から数えて残60日。対象はPCS合計出力100kW未満で、系統用BESSは同じSIIでも別事業の窓口です。ここを取り違えると、公募期間を丸ごと逃します。

結論3行
  1. SIIが2026年8月28日17:00に、令和7年度補正「業務産業用蓄電システム導入支援事業」の交付決定の公表ページを開設した。交付決定日は2026年8月28日。
  2. 公表された交付決定は株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市)の1者のみ、補助金交付決定額 7,423,633円(合計同額)。公募開始は2026年3月24日。
  3. 公募締切は2026年10月30日で、公開日起算で残60日。対象はPCS合計出力100kW未満。系統用は同じSIIの別事業が窓口。
公表された交付決定
1者
株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市)
補助金交付決定額
7,423,633
合計も同額(1者分)
対象規模
PCS合計出力100kW未満
kWhではなくkWで線が引かれる
公募締切
2026年10月30日
公開日起算で残60日

1. 交付決定はまだ1者——公表開始時点の中身を確認する

要点まとめ 公表されているのは1者だけ

交付決定日・公表額と、1者しか公表されていないことへの留保を示す図
公募開始から5か月。公表ベースでは1者・7,423,633円しか動いていない。
やさしい説明

補助金は、申請して審査を通ると「交付決定」という形で採択されます。その一覧が公表され始めたのが2026年8月28日で、載っていたのは1者だけでした。

図1:2026年8月28日に公表された交付決定の中身 交付決定日 2026年8月28日 公表ページ開設 2026年8月28日 17:00 交付決定事業者 1者 株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市) 補助金交付決定額 7,423,633円 1者分 合計 7,423,633円 交付決定額と同額 公募開始 2026年3月24日から約5か月が経過した時点の公表内容 「公表された交付決定が1者」であり、「申請が1者だった」ことを示すものではない
図1:交付決定の内容(出所:SII「業務産業用蓄電システム導入支援事業 交付決定について」/交付決定一覧PDF、2026年8月28日)。

2026年8月28日17:00、SIIが令和7年度補正「再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金/DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業(業務産業用蓄電システム導入支援事業)」の交付決定についてのページを開設しました。交付決定日は2026年8月28日です。

公表された交付決定事業者は、株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市)の1者のみ。補助金交付決定額は 7,423,633円 で、一覧の合計も同額です。

ここで留保を一つ置きます。交付決定が1者しか公表されていないことが、そのまま「申請が1者しかなかった」ことを意味するとは限りません。公表の運用は今回始まったばかりで、審査中の案件が控えている可能性があります。SIIが申請件数を公表しているわけでもありません。「応募がゼロに近い」と断じるのは行き過ぎで、正確にはこの時点で交付決定として世に出ているのが1者だけ、というだけの話です。

それでも、100kW未満クラスの業務産業用DR蓄電池が締切の2か月前になっても立ち上がっていないという事実は動きません。要件に合う案件を持っているなら、いま動く価値があります。

くわしく(事業名の正式表記と、公表の位置づけ)

正式な事業名は「令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金/DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業(業務産業用蓄電システム導入支援事業)」です。親事業名に「家庭用蓄電システム等」と入っているため、業務産業用の枠を探している人が見落としやすい構造になっています。括弧内の「業務産業用蓄電システム導入支援事業」が、本記事が扱っている枠です。

今回公表されたのは交付決定の一覧であり、申請件数・審査状況・不採択件数は公表されていません。本記事が確認できたのは、交付決定日(2026年8月28日)、公表ページの開設時刻(同日17:00)、交付決定事業者名と所在地、補助金交付決定額、そして合計額だけです。それ以外を推測で補うことはしていません。

2. 対象は「PCS合計出力100kW未満」:kWhではなくkWで線が引かれている

要点まとめ 線が引かれているのはkW、kWhではない

PCS合計出力100kW未満という判定軸と、読み違えやすい点を示す図
蓄電池の「大きさ」は普通kWhで語られるが、対象区分はPCSの合計出力で切られている。
やさしい説明

蓄電池の大きさは普通「何kWh入るか」で語られます。ところがこの補助金は「何kW出せるか」、しかもPCSを全部足した値で対象を切っています。

図2:線が引かれているのは kWh ではなく kW 本事業の対象 PCS合計出力 100kW未満 小規模の業務産業用蓄電池 DRに活用可能なリソースとして 新規に導入するもの 本事業の対象外 PCS合計出力 100kW以上 大規模業務産業用・系統用など SIIの別事業の窓口へ移る 同じサイト内で事業が分かれている 判定は容量(kWh)ではなく出力(kW)。しかも1台ごとではなくPCSの合計値で見る 複数台構成で合計100kWの線をまたぐと、申請先の窓口が変わる
図2:対象規模の線引き(出所:SII「業務産業用蓄電システム導入支援事業 公募情報」)。

この事業の対象は、PCS(パワーコンディショナ)合計出力100kW未満の業務産業用蓄電システムで、DRに活用可能なリソースとして新規に導入するものです。

線が引かれているのは kW(出力) であって kWh(容量)ではありません。ここを読み違える人が多いところです。

  • 蓄電池の「大きさ」は普通、容量(kWh)で語られる。だが対象区分はPCSの合計出力(kW)で切られている
  • 容量が大きくても、PCS出力が100kW未満ならこの事業の側に入る
  • 容量が小さくても、PCSを複数台並べて合計100kW以上になっていれば、この事業からは外れる

「合計」出力である点も重要で、1台ごとの定格ではなく、その案件に入るPCSを足し合わせた値で判定されます。EPCや販売店が複数台構成を提案するとき、合計値が100kWの線をまたぐかどうかで申請先の窓口が変わります。

補助率と補助上限額は、本記事の確認範囲では未確認です。公募要領PDFを取得できていないため、率も上限も書けません。金額の目安として使える公開データは交付決定額 7,423,633円(1者分)だけで、これは1者の実績値であり、上限額でも標準額でもありません。導入規模を検討する段階で率と上限が必要なら、SIIの公募情報ページから公募要領を直接確認してください。

3. SIIの蓄電池補助金は複数立て:系統用・大規模業産・100kW未満・再エネ併設の違い

要点まとめ 規模と用途で窓口が分かれている

SIIの蓄電池関連事業の分かれ方と、取り違えが起きる方向を示す図
「SIIの蓄電池補助金」と一括りにして探すと、自社案件がどれに当たるかを取り違える。
やさしい説明

SIIは同じ年度の予算で、蓄電池の補助金をいくつも並行して走らせています。窓口を間違えると、自分の案件に合う枠を見ないまま締切を過ぎます。

図3:令和7年度補正・SIIの蓄電池関連事業(別建て) 同じ「令和7年度補正」でも、規模とユースケースで事業が分かれている 系統用BESSの窓口 系統用蓄電システム等 導入支援事業 大規模の業務産業用 大規模業務産業用蓄電 システム等導入支援事業 再エネ電源に併設 再エネ電源併設蓄電 システム等導入支援事業 本記事の対象 業務産業用蓄電システム 導入支援事業 PCS合計出力 100kW未満 家庭用 家庭用蓄電システム 導入支援事業 DR関連(蓄電池以外) DR拡大に向けたIoT化推進事業 スマメ活用DR実証事業 「SIIの蓄電池補助金」と一括りに探すと、自社案件がどの窓口かを取り違えて公募期間を丸ごと逃す
図3:SIIの令和7年度補正・蓄電池関連事業(出所:SII 事業一覧ページで確認)。

SIIは同じ令和7年度補正予算枠で、蓄電池関連の事業を別建てで複数運営しています。事業一覧ページで確認できるものは次のとおりです。

表1:SII 事業一覧ページで確認した令和7年度補正の蓄電池・DR関連事業。各事業の公募状況・要件は本記事では確認していない。
事業名(令和7年度補正)位置づけ
系統用蓄電システム等導入支援事業系統用BESSの窓口はこちら
大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業大規模の業務産業用
DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業
(業務産業用蓄電システム導入支援事業)
本記事の対象。PCS合計出力100kW未満
再エネ電源併設蓄電システム等導入支援事業再エネ電源に併設するもの
家庭用蓄電システム導入支援事業家庭用
ディマンドリスポンスの拡大に向けたIoT化推進事業DRのIoT化
スマートメーターを活用したディマンドリスポンス実証事業DR実証

つまり、規模とユースケースで窓口が4本以上に分かれています。「SIIの蓄電池補助金」と一括りにして探すと、自社案件がどれに当たるかを取り違えます。系統用BESSを開発している事業者が本事業のページを見て「100kW未満だから対象外だ」と結論するのは正しいのですが、そこで探索を止めてしまうと、系統用蓄電システム等導入支援事業という別の窓口を見落とすことになります。

逆方向の取り違えのほうが実害は大きくなります。自家消費側の100kW未満案件を持っている事業者が、系統用や大規模業産のページだけを見て「うちの規模は対象外」と判断し、本事業の存在に気づかないまま2026年10月30日を過ぎる——これが公募期間を丸ごと逃すパターンです。

なお、系統用蓄電システム等導入支援事業の公募状況(交付決定の有無・件数を含む)は本記事の対象外です。別事業であり、本記事では確認していません。

4. 締切2026年10月30日まで残60日:いま動く場合の確認手順

やさしい説明

公募期間の8割近くが過ぎています。残りは60日。機器の選定から始める案件には、余裕のある期間ではありません。

図4:公募期間のタイムライン(2026年3月24日 → 2026年10月30日) 2026年3月24日 公募開始 2026年8月28日 交付決定を公表(17:00) 1者・7,423,633円 本記事の公開日 2026年8月31日 2026年10月30日 公募締切 残 60 日 公募期間の8割近くが経過し、公表されている交付決定は1者・7,423,633円 ただし予算総額・残額は未確認。「枠が空いている可能性が高い」以上の断定はできない
図4:公募期間と残日数(出所:SII「業務産業用蓄電システム導入支援事業 公募情報」/交付決定について)。

公募期間は 2026年3月24日 〜 2026年10月30日。本記事の公開日(2026-08-31)起算で 残60日 です。

期間の8割近くが過ぎて、公表されている交付決定が1者・7,423,633円という状態にあります。予算枠が空いている可能性は高いのですが、予算総額・残額は未確認で、断定はできません。ここは「空いていそうだ」以上のことを言うべきではないと考えています。

そのうえで、要件に合う案件を持っているなら手順はこうなります。

  1. PCS合計出力を確定させる。100kW未満かどうかがすべての起点です。容量(kWh)ではなくPCSの合計出力(kW)で判定します。複数台構成なら合計値で見ます。
  2. 100kW以上だったら別事業のページへ移る。大規模業務産業用、あるいは系統用。同じSIIのサイト内で事業が分かれています。
  3. 「DRに活用可能なリソースとして新規導入するもの」に該当するかを確認する。事業名にDRが入っているとおり、DR活用が前提の枠です。既設の更新や、DRに供しない用途は要件の確認が要ります。
  4. 公募要領PDFで補助率・補助上限額を自分で確認する。本記事では未確認です。ここは記事で代替できません。SIIの公募情報ページから取得してください。
  5. 2026年10月30日から逆算する。見積・仕様確定・申請書類の準備に必要な日数を引いて、いつまでに何を決めるかを引きます。残60日は、機器の選定から始める案件には余裕のある期間ではありません。
くわしく(「残60日」の数え方と、締切の扱い)

残60日は、本記事の公開日である2026年8月31日から公募締切の2026年10月30日までを数えた日数です。9月が30日、10月が30日で計60日。営業日ではなく暦日での計算です。書類の準備に使える実働日はこれよりかなり少なくなります。

また、公募期間の終期が「2026年10月30日」であることは公募情報で確認していますが、当日の受付締切時刻・必着か消印有効かといった細目は本記事では確認していません。申請を前提に日程を組むなら、SIIの公募情報ページで直接確認してください。

5. 未確定・注意点

補助率・補助上限額は本記事の確認範囲では未確認です。公募要領PDFを取得できていません。金額の目安として使える公開データは交付決定額 7,423,633円(1者分)のみで、これは実績値であり上限額でも標準額でもありません。
  • 交付決定が1者しか公表されていないことが、そのまま「申請が1者しかなかった」ことを意味するとは限りません。公表の運用は2026年8月28日に開始されたばかりで、審査中の案件がある可能性があります。
  • 予算総額・残額は未確認です。「枠が空いている可能性が高い」以上の断定はできません。
  • 系統用蓄電システム等導入支援事業の公募状況は本記事の対象外です。別事業であり、交付決定の有無・件数を含めて確認していません。
  • 本記事が扱っているのは 2026年8月28日時点で公表されている内容です。以後に交付決定が追加される可能性があります。
  • 公募締切当日(2026年10月30日)の受付時刻・提出方法の細目は本記事では確認していません。

6. よくある質問

業務産業用蓄電システム導入支援事業の交付決定は何者ですか。

2026年8月28日17:00に公表が開始された時点では、株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市)の1者のみです。補助金交付決定額は7,423,633円で、合計も同額です。

交付決定が1者だけということは、申請も1者しかなかったのですか。

そうとは限りません。交付決定の公表は2026年8月28日に開始されたばかりで、審査中の案件がある可能性があります。SIIが申請件数を公表しているわけでもないため、本記事では「公表されている交付決定が1者」という事実にとどめています。

対象になる蓄電池の規模はどこで線が引かれていますか。

PCS合計出力100kW未満です。容量(kWh)ではなく出力(kW)で、しかも合計値で判定されます。PCSを複数台並べて合計100kW以上になる構成は、この事業からは外れます。

補助率と補助上限額はいくらですか。

本記事の確認範囲では未確認です。公募要領PDFを取得できていないため、率も上限も記載できません。公開データで金額の目安になるのは交付決定額7,423,633円(1者分)のみで、これは実績値です。SIIの公募情報ページから公募要領を直接確認してください。

締切はいつですか。あと何日ありますか。

公募期間は2026年3月24日から2026年10月30日までです。本記事の公開日である2026年8月31日を起点にすると、残60日です。

系統用蓄電池はこの補助金の対象になりますか。

なりません。系統用は同じSIIの「令和7年度補正 系統用蓄電システム等導入支援事業」という別建ての事業が窓口です。SIIは令和7年度補正予算枠で、系統用・大規模業務産業用・PCS合計出力100kW未満の業務産業用・再エネ電源併設・家庭用と、規模とユースケースで蓄電池補助金を複数に分けて運営しています。

予算はまだ余っていますか。

予算総額・残額は未確認です。公募開始から5か月が経った2026年8月28日時点で公表されている交付決定が1者・7,423,633円であることから、枠が空いている可能性は高いと考えられますが、断定できる材料はありません。

まとめ

  • SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が2026年8月28日17:00に、令和7年度補正「業務産業用蓄電システム導入支援事業」の交付決定の公表ページを開設した。交付決定日は2026年8月28日。
  • 公表された交付決定事業者は株式会社ケー・ツー(愛知県豊田市)の1者のみ。補助金交付決定額は7,423,633円で、合計も同額。
  • 公募開始は2026年3月24日。5か月が経った時点で、公表ベースでは1者しか動いていない。ただし「申請が1者だった」ことを意味するとは限らない。
  • 対象はPCS合計出力100kW未満の業務産業用蓄電システム。容量(kWh)ではなく出力(kW)の合計値で線が引かれている。
  • SIIは令和7年度補正で、系統用・大規模業務産業用・100kW未満の業務産業用・再エネ電源併設・家庭用と、蓄電池補助金を別建てで複数運営している。窓口の取り違えは公募期間の逸失に直結する。
  • 公募締切は2026年10月30日。公開日(2026-08-31)起算で残60日。
  • 補助率・補助上限額・予算総額・残額はいずれも本記事の確認範囲では未確認。公募要領PDFで各自確認が必要。

発行・監修

系統用蓄電池(BESS)に関する国内外の一次情報を毎日モニタリングし、制度・市場・安全の3領域で解説しています。
一次情報主義
官公庁・執行団体・送配電事業者・市場運営機関が公表した原典のみを根拠とし、業界紙・ブログ等の二次情報は本文に採録しません。
数値は原典から
交付決定日・事業者名・交付決定額・公募期間はすべてSIIの公表ページから直接取得しています。補助率・上限額・予算残額のように確認できていない事項は「未確認」と明示し、推測で補いません。
訂正方針
誤りが判明した場合は本文を修正のうえ、ページ下部の更新ログに訂正内容と日付を残します。記述の差し替えを黙って行いません。

出典(一次情報)

更新ログ:2026-08-31 初版公開(補助率・補助上限額・予算総額は未確認。公募要領PDFを取得でき次第追記する)

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4626503102005/

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