低圧(50kW未満)の系統用蓄電池への投資は、設備を購入して電力系統に接続し、需給調整市場で得られた対価の配分を受け取る事業です。このページでは、投資を検討する方に向けて、事業の仕組み、収益の構造、費用と想定利回りの目安、投資回収の考え方、主なリスク、始めるまでの流れをまとめています。

投資の仕組み(事業スキーム)
当社がご提案する形では、オーナー様が低圧の系統用蓄電池の設備を購入して所有します。設備は電力系統に接続され、アグリゲーターが複数の設備を束ねて需給調整市場で運用し、オーナー様はその収益の配分を受け取ります。関わる立場と役割は次のとおりです。
| オーナー様 | 設備を購入・所有し、需給調整市場での収益の配分を受け取ります。 |
|---|---|
| アグリゲーター | 複数の設備を束ねてひとつの調整力として需給調整市場に入札し、運用します。 |
| 櫻貿易 | 用地の検討、設備構成と収支の見通しのご提案、アグリゲーターの選定を含む運用プランのご提案を行い、設計・工事・系統連系や各種申請は窓口となって進めます。 |
収益の構造(ΔkW価値とΔkWh価値)
収益の場は需給調整市場です。需給調整市場では1日を30分ごとの「コマ」に区切って取引が行われ、1日は48コマになります。当社がご提案する運用の考え方では、48コマのうち3コマで充電し、残る45コマは調整力として供出(待機)します。
収益の土台:ΔkW価値(待機への対価)
アグリゲーターの入札が約定したコマについて、指令に応じられる状態を保っていること自体に対価が支払われます。指令が来なくても発生する一方、約定しなかったコマには発生しません。
上乗せ:ΔkWh価値(動いた電力量への対価)
指令を受けて実際に動いたコマでは、その電力量に応じた対価が上乗せされる場合があります。電力量の精算があるのは主に二次・三次調整力で、一次調整力はΔkW価値のみで精算されます。商品区分によって、電池の残量の動き方も変わります。
放電し続けて稼ぐわけではない
充電に充てる3コマの電力量は、49kW×0.5時間×3コマで約73.5kWhです。45コマのあいだ放電し続けるには約1,100kWhが必要になり、約15倍足りません。放電するのは指令が届いたコマだけで、収益の中心は「必要なときに応じられるよう待機していること」への対価です。
アグリゲーターが必要な理由
需給調整市場には最低入札量があり、商品区分や監視方式によって異なりますが、簡易指令システムを用いる場合は1MW(1,000kW)とされています。49kWの設備1台ではこれを満たせないため、単体では入札できません。
そこでアグリゲーターが、リスト方式やパターン方式で複数の案件を束ねて入札します(49kW換算で21台以上)。オーナー様は収益の配分を受け取る形になり、入札したすべてのコマが約定するわけではありません。どのアグリゲーターと、どのような配分の条件で組むかは、収支に直結するポイントです。
※ 制度・取引ルールは今後改定される場合があります。
費用と想定利回りの目安
標準的な低圧の設備構成での当社試算値は、次のとおりです。
| 初期費用の目安 | 1,250万円〜※ |
|---|---|
| 想定利回りの目安 | 23%〜※ |
| 詳しい収支 | 案件規模・エリア・融資条件に応じて、個別のシミュレーションでご案内します。 |
※「1,250万円〜」「想定利回り23%〜」は、需給調整市場のΔkW価値・ΔkWh価値およびアグリゲーターとの収益配分を前提とした標準的な低圧設備構成における当社試算値です。実際の費用・収益は立地条件・設備構成・約定状況・市場価格・指令量・稼働率等により変動し、将来の収益を保証するものではありません。
実際の費用や収益、期間は、立地条件、設備構成、電力市場価格、自己資金比率、運用年数などによって変わります。数字だけで判断せず、前提を確認したうえでご検討ください。
投資回収の考え方
投資回収にかかる期間は、初期費用、アグリゲーターとの配分後に受け取る年間の収益、融資の有無と条件、運用年数によって決まります。需給調整市場の収益は市場価格や約定状況によって変動するため、ひとつの数字ではなく幅を持って見通すことが大切です。
運用年数を考える際は、蓄電池の劣化も前提に入れる必要があります。当社がご提案する設備の蓄電池ユニットのサイクル寿命は、6,000サイクル(@0.5C, 25℃, 70%EOL)です。
当社では、案件規模・エリア・融資条件を伺ったうえで、変動の前提を含めた収支のシミュレーションを個別にご案内しています。
主なリスクと確認しておきたいこと
- 収益は需給調整市場の価格、約定状況、指令量によって変動し、将来の収益が保証されるものではない
- 入札したコマが必ず約定するわけではない
- 制度や取引ルールは改定されることがある
- 低圧の設備は単体では入札できず、アグリゲーターとの契約・配分の条件が収支に影響する
- 設置場所や設備構成によって、所轄消防との協議や各種申請・届出が必要になる場合がある(当社が窓口となって進めます)
- 農地に設置する場合は、転用の手続きが必要になることがある
当社では、こうした前提も含めて収支の見通しをご説明したうえでご提案しています。
法人・個人でご検討の場合
法人としてご検討か個人としてご検討か、また自己資金と融資をどう組み合わせるかによって、収支の見通しや確認しておきたい事項が変わります。ご状況を伺ったうえで、個別にご案内します。用地をお持ちでない場合も、用地探しの段階からご相談いただけます。
用地の広さや条件については、系統用蓄電池に必要な土地で詳しくまとめています。
始めるまでの流れ
- 01ご相談・ヒアリング土地の条件や事業のご要望をお伺いします。
- 02現地調査・ご提案現地を確認し、システム構成と収支の見通しをご提案します。
- 03ご契約ご提案内容にご納得いただけたら、ご契約となります。
- 04設計・工事設計から設置工事、系統連系までを、当社が窓口となって進めます。
- 05運用開始アグリゲーターを通じて市場での運用を始めます。
期間は用地の条件や系統連系の手続きによって異なるため、ご提案の際に目安をお伝えします。