櫻貿易株式会社
制度・政策・審議会中級

東京電力PG、空容量マッピングと系統構成・予想潮流のWeb公開停止でQAを公表。2月2日から停止、復旧は5月中の予定

系統用蓄電池の連系を考えるとき、多くの開発事業者が最初に開くのが一般送配電事業者の空容量情報だろう。東京電力パワーグリッド(東京PG)は、その「空容量マッピングに関する情報」と「系統構成・予想潮流」のWeb公開を2月2日から止めている。東京PGはこの件のよくある質問(QA)を出し、停止は情報の正確性を確かめるための一時的なもので、システムメンテナンスが当初の想定より長引いているとして、2月時点で「4月中」としていた復旧の予定を5月中に延ばした。停止中も発電機接続の検討と申請は通常どおり受け付ける。空容量は事前相談の問合せで個別に出す。

読了目安:約5分対象読者:中級(開発事業者 必読。東京PGエリアで系統用蓄電池の接続検討を進める開発事業者・コンサルタント)種別:お知らせQAの解説

要点まとめ

何が起きたか:東京PGが「空容量マッピングに関する情報」と「系統構成・予想潮流」のWeb公開を2月2日から止めており、その理由・範囲・復旧見込みをQAで説明した。復旧は5月中の予定。

なぜ重要か:東京PGエリアで候補地の空き容量を自分で当たる手段が、停止の間は窓口への個別問合せに限られる。

何をすべきか:接続検討・申請の予定は止めずに進め、空容量は東京PGの事前相談で個別に確かめる。復旧時期はホームページの案内で確認する。

2026年10月4日 追記

その後の経緯を東京PGのお知らせ一覧とQAの改訂版で確かめた。復旧の予定は2度延びている。2月2日の公開停止時点のQAは「4月中」の復旧予定で、4月30日のQA(本稿が扱う版)でこれを「5月中」に改めた。さらに5月29日、データメンテナンス作業の延長を理由にQAを改訂し、公開再開の時期を「6月上旬予定」に変えると知らせた。

公開は6月2日に再開した。お知らせ一覧には同日付で「2026年2月2日からデータメンテナンスのため公開を一時停止していた『系統の空き容量等に関する情報』および『需要・送配電に関する情報』の系統構成・予想潮流について、公開を再開しました」とある。どちらの延期も、予定の期限が来る前にQAとお知らせで案内されていた。本文はQA公表時点(4月30日)の内容で書いている。

空容量マッピング等の公開停止の概要

東京電力PGが空容量マッピングに関する情報と系統構成・予想潮流のWeb公開を、情報の正確性を確認するため2月2日から一時停止し、5月中に復旧する予定であることを、理由・範囲・期間の3枚のカードで示す図。
図1:公開停止の理由・範囲・期間。出典=東京電力パワーグリッド「よくある質問」(2026年4月30日付)。作図=BESS NEWS編集部。

QAはPDFで、質問は10問ある。2月2日の公開停止時に出した版(8問)の改訂版で、「4月中」としていた復旧予定を「5月中」に改め、予定を変えた理由などの問いが加わった。止まっているのは「空容量マッピングに関する情報」と「系統構成・予想潮流」の2つで、どちらも掲載されている全ての情報のWeb公開が対象だ。

理由について、QAは情報の正確性を確認するための一時停止だと説明している。止めたのは2月2日。システムメンテナンスが当初の想定よりも時間を要していて、復旧は5月中を予定している。予定日が動くときは、事前にホームページで知らせるという。

東京PGは毎年5〜6月頃にも定期メンテナンスを行い、通常は1か月程度公開を止めている。こちらはデータ更新とシステム保守が中心だ。今回の停止はそれとは別に2月から続いた臨時のもので、QAは同様の臨時停止を現時点では想定していないとしている。

停止期間と事前相談での代替対応

公開停止中も発電機接続の検討・申請は通常どおり受け付け、空容量は事前相談の問合せで個別に提供し、復旧後は従来どおりの内容・方法で公開する予定であることを示す図。
図2:停止期間中の受付と事前相談、復旧後の扱い。出典=東京電力パワーグリッド「よくある質問」(2026年4月30日付)。作図=BESS NEWS編集部。

止まったのはWeb上の公開で、手続きの窓口ではない。QAは、停止期間中も発電機接続の検討や申請は通常どおり受け付けると明記している。

空容量を知りたいときは、これまでと同じく事前相談の問合せを使う。連系を希望する系統や設備を東京PGの窓口に伝えれば、必要な情報を個別に出してもらえる。復旧後については、現時点では従来どおりの内容・方法で公開する予定だとしている。

一つ注意がある。QAが使っている言葉は「発電機接続」の検討・申請である。系統用蓄電池の申込みも同じ扱いだと読むのが自然だが、QAの文言だけでは言い切れない。申込みを控えているなら、事前相談のついでに確かめておくと手戻りがない。

蓄電池の連系検討への影響

空容量マッピングや予想潮流は、候補地の近くの系統にどれだけ余地がありそうかを、事業者が自分で当たりをつけるときに使う資料だ。公開が止まると、候補地を絞る前の下調べを窓口とのやり取りで進めることになり、そのぶん時間の読みが立てにくくなる(この段落は編集部の解説)。

東京PGエリアで検討を進めている場合に、確かめておきたいことを並べる。

#確かめること根拠
1空容量が必要な候補地について、事前相談の問合せを出したかQA(停止期間中の対応)
2公開停止を理由に、接続検討・申請の予定を止めていないか。蓄電池の申込みが同じ扱いかも窓口で確認したかQA(検討・申請は通常どおり受付)
3停止前に保存した空容量・潮流のデータを使っているなら、復旧後の公開値と突き合わせる段取りがあるか編集部の考え(停止理由が正確性の確認のため)
4毎年5〜6月頃の定期メンテナンス(通常1か月程度)を、例年の検討スケジュールに入れているかQA(定期メンテナンスの説明)

よくある質問

Q1. 東京電力PGは、なぜ空容量マッピングの公開を止めたのですか。
情報の正確性を確認するための一時的な停止だと、東京PGはQAで説明しています。2月2日に公開を止め、システムメンテナンスが当初の想定よりも時間を要しているとしています。
Q2. 公開が止まっているのは、どの情報ですか。
「空容量マッピングに関する情報」と「系統構成・予想潮流」の2つです。QAは、両方に掲載されている全ての情報のWeb公開が対象だとしています。
Q3. 公開停止中に、接続検討の申込みはできますか。
できます。QAは、停止期間中も発電機接続の検討や申請は通常どおり受け付けると書いています。系統用蓄電池の申込みがこの扱いに含まれるかはQAの文言からは読み切れないため、念のため窓口で確かめてください。
Q4. 停止中に空容量を知りたいときは、どうすればよいですか。
従来どおり事前相談の問合せで対応します。連系を希望する系統・設備について東京PGの窓口へ連絡すると、必要な情報を個別に提供するとQAは説明しています。
Q5. 公開はいつ再開しましたか。
2026年6月2日です。4月30日のQAは5月中の復旧を予定し、予定日が変わる場合は事前にホームページで案内するとしていました。東京PGは5月29日にQAを改訂して再開時期を6月上旬予定に改め、6月2日に公開を再開したとお知らせ一覧に載せています。なお、2月2日の停止時点の予定は4月中で、延期はこれが2度目でした。
Q6. 毎年5〜6月頃の定期メンテナンスとは別の停止ですか。
別です。定期メンテナンスは毎年5〜6月頃に行い、データ更新とシステム保守が中心で、通常は1か月程度公開を止めます。今回は2月2日から続いた臨時の停止で、同様の臨時停止は現時点で想定していないとQAは説明しています。

編集部の見立て

  1. QAの要点は「公開は止めたが、手続きは止めていない」という一点にある。空容量の公開を待って申込みを先送りすると、そのぶん後ろの工程が詰まる。停止中にできることは、事前相談で進めておいたほうがよい。
  2. 停止の理由は情報の正確性の確認だった。停止前に手元へ落としたデータは、復旧後に公開される値と同じとは限らない。自社のシミュレーションに使ったデータの取得日は記録しておきたい。
  3. 復旧の予定は「4月中」「5月中」「6月上旬」と2度延び、東京PGはそのつど期限の直前(4月30日と5月29日)にQAを改訂して知らせた。再開は6月上旬の予定どおり6月2日だった。案内はあったものの、延期が分かるのは月末ぎりぎりで、事業者が前もって工程を組み直す余裕はあまりない。公開データを前提にした作業は、最初の予定日から1〜2か月ずれる前提で工程表を組んでおくのが現実的だ。

編集体制と事実確認プロセス

BESS NEWSの記事はこう作っています

  • BESS NEWSは一次情報主義を採ります。官公庁・電力広域的運営推進機関・一般送配電事業者などが自ら公表した文書とページのみを出典とし、業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信の二次情報は出典に用いません。
  • 本稿のQAの内容は、2026年4月30日付のQA(PDF・全10問)にもとづきます。2026年10月4日の更新の際にPDFを開き直し、本文の記載を原文と照らし合わせました。照合表の「一次情報の記載」は、かぎ括弧のあるものが原文、ないものが要旨です。
  • 公開再開までの経緯(2月2日版QAの「4月中」、5月29日版QAの「6月上旬」、6月2日の再開)は、東京PGの系統情報「お知らせ」一覧と各版のQAで確かめ、追記・FAQ・見立てに反映しました。
  • 「蓄電池の連系検討への影響」の解説、確認事項の3番、編集部の見立ては、一次情報の事実にもとづく編集部の解釈です。確定的な見通しではありません。

数値照合表

本文に出した主要な数値と事実を、一次情報の該当箇所と対照した表である。かぎ括弧は原文の引用、括弧のないものは要旨。

#本文の数値・事実一次情報の記載出典(該当箇所)
1公開停止の開始 2026年2月2日「2026年2月2日からデータメンテナンスのため公開を一時停止していた」(2026年6月2日付のお知らせ)東京PG お知らせ一覧
2停止の開始日 2月2日「2月2日より公開を停止し、5月中の復旧を予定しています。」東京PG よくある質問(4月30日付)No.2
3停止の理由 情報の正確性の確認情報の正確性を確認するための一時停止(QAの要旨)東京PG よくある質問(4月30日付)
4復旧の予定 5月中「5月中の復旧を予定しています」(No.2)、「システムメンテナンスについて、当初の想定よりも時間を要しております。」(No.9)東京PG よくある質問(4月30日付)
5停止の対象 2つの情報の全掲載情報「空容量マッピングに関する情報」および「系統構成・予想潮流」で掲載されている全ての情報のWeb公開(QAの要旨)東京PG よくある質問(4月30日付)
6停止中の検討・申請 通常どおり受付停止期間中も発電機接続の検討や申請は通常通り受付。空容量は事前相談の問合せで個別に提供(QAの要旨)東京PG よくある質問(4月30日付)
7定期メンテナンス 毎年5〜6月頃・通常1か月程度定期メンテナンスは毎年5~6月頃に実施し、通常1か月程度の公開停止(データ更新・システム保守が中心)(QAの要旨)東京PG よくある質問(4月30日付)
8QAの設問数 10問No.1〜No.10の10問東京PG よくある質問(4月30日付)
92月2日時点の復旧予定 4月中「2月2日より公開を停止し、4月中の復旧を予定しています。」東京PG よくある質問(2月2日付)
105月29日の再延期 6月上旬予定「2月2日より公開を停止し、6月上旬の復旧を予定しています。」東京PG よくある質問(5月29日付)
11公開の再開 2026年6月2日「…系統構成・予想潮流について、公開を再開しました。」(2026年6月2日付のお知らせ)東京PG お知らせ一覧

出典(一次情報)

  1. 東京電力パワーグリッド「『空容量マッピングに関する情報』および『系統構成・予想潮流』に関するよくある質問」(PDF。2026年4月30日付。本稿が扱う版)
  2. 同「よくある質問」(PDF。2026年2月2日付。公開停止時の版)
  3. 同「よくある質問」(PDF。5月29日付の改訂版)
  4. 東京電力パワーグリッド 系統情報「お知らせ」一覧(2月2日・4月30日・5月29日・6月2日付の各お知らせを参照)

※二次情報(業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信)は出典に用いていません。出典4は随時更新されるページで、本稿は取得時点の掲載にもとづきます。

出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/standard/4614202102002/

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