中部電力PG、9月18日22:30〜19日1:30の「調整力の限界的なkWh価格」に誤算定の可能性。誤りが認められればインバランス料金単価を再算定し、続く1:30〜5:00は同価格を単価に用いない
中部エリアで蓄電池をBGとして動かしているなら、9月18日の夜から19日の明け方にかけての精算は、まだ確定したものとして扱わないほうがいい。中部電力パワーグリッド(中部電力PG)は2026年9月24日、お知らせを2本出した。1本目は、中央給電指令所システムのトラブルで、9月18日22時30分から19日1時30分までの「調整力の限界的なkWh価格」に誤算定の可能性があるという内容で、誤りが認められた期間はインバランス料金単価を再算定する。2本目は、同じトラブルで19日1時17分から4時48分まで中部エリアの広域需給調整が中断し、1時30分から5時00分までは限界的なkWh価格をインバランス料金単価に用いないという知らせだ。需給調整市場取引への影響はない、としている。
CONTENTS目次
何が起きたか:中部電力PGが2026年9月24日、中央給電指令所システムのトラブルを原因とするお知らせを2本公表した。9/18 22:30〜9/19 1:30は限界的なkWh価格に誤算定の可能性があり、続く1:30〜5:00は同価格をインバランス料金単価に用いない。
なぜ重要か:インバランス料金単価は、計画と実績の差を精算するときの単価である。誤りが認められた期間は再算定されるので、この時間帯の精算額は後から変わることがある。
何をすべきか:中部エリアのBGは、9/18 22:30〜9/19 5:00の自社のインバランス量をコマ別に控えておく。再算定の結果が出たら、中部電力PGのお知らせとインバランス料金情報公表ウェブサイトで差を確かめる。
何が起きたか。2つのお知らせの中身
2本とも1ページのPDFで、日付は2026年9月24日。中部電力PGのサイトでは、それぞれのお知らせページ(誤りの可能性・広域需給調整の中断)に添付されている。中身を並べると次のようになる。
| 項目 | 誤りの可能性のお知らせ(20260919-2.pdf) | 広域需給調整の中断のお知らせ(20260919-1.pdf) |
|---|---|---|
| 対象の時間帯 | 「調整力の限界的なkWh価格」に誤算定の可能性のある期間:2026年9月18日(金)22時30分〜9月19日(土)1時30分 | 中断の発生期間:9月19日(土)1時17分〜4時48分/限界的なkWh価格をインバランス料金単価に用いない期間:9月19日(土)1時30分〜5時00分 |
| 原因 | 中央給電指令所システムのトラブル | 中央給電指令所システムのトラブル |
| 今後の対応 | 期間中の限界的なkWh価格を分析・妥当性評価し、誤りが認められる期間の正しいデータを作成のうえ、インバランス料金単価を再算定する | 記載なし |
| 需給調整市場取引への影響 | 記載なし | なし |
2本の時刻をつなぐと、9月18日22時30分から19日5時00分までが切れ目なく並ぶ。前半の3時間が「誤算定の可能性」、後半の3時間半が「限界的なkWh価格を単価に用いない」期間である。30分を1コマとして数えると、前半が6コマ、後半が7コマ、合わせて13コマになる(コマ数は2本の時刻から編集部が換算した)。
細かいところを1つ。広域需給調整の中断は1時17分に始まっているが、「用いない」期間の始まりは1時30分である。1時17分から1時30分までの13分は、前半の「誤算定の可能性のある期間」の側に入っている。終わりも、中断の終了が4時48分なのに対して「用いない」期間は5時00分までだ。なぜこの区切り方にしたのかは、2本とも説明していない。
インバランス料金単価はどう決まり、どこが誤った可能性があるか
インバランス料金単価は、BGが出した計画と実績の差(インバランス)を精算するときの単価である。中部電力PGのお知らせは、この単価の算定に用いる値として「調整力の限界的なkWh価格」を挙げている。名前のとおり、その時間帯に使われた調整力のkWh価格のうち限界にあたる価格を指す。お知らせ自体は、この言葉の定義を書いていない。
前半の22時30分から1時30分については、まだ「誤りがある」とは言っていない。誤りがある「可能性」を告げたうえで、期間中の限界的なkWh価格を分析して妥当性を評価し、誤りが認められる期間について正しいデータを作り、インバランス料金単価を再算定する、という手順を示している。前半の6コマすべてが再算定になるとは限らない。
上記期間においてインバランス料金単価の算定に用いた「調整力の限界的な kWh 価格」の分析・妥当性評価を行い、誤りが認められる期間の正しいデータを作成の上、インバランス料金単価の再算定を行います。
— 中部電力パワーグリッド「インバランス料金単価の算定に用いる「調整力の限界的なkWh価格」の誤りの可能性について」2026年9月24日後半の1時30分から5時00分は性質が違う。こちらは再算定の話ではなく、最初から限界的なkWh価格をインバランス料金単価に用いない期間とされている。その前提にあるのが、同じ時間帯に起きた中部エリアの広域需給調整の中断だ。広域需給調整は、一般送配電事業者がエリアをまたいで需給の調整を行う運用である。中断のお知らせは、限界的なkWh価格を用いない期間を示しているが、その間の単価を何にもとづいて算定するのかは書いていない。
再算定を行う時期、誤りの向き(高く出たのか低く出たのか)、影響するコマの数と金額、1時30分から5時00分の単価を何にもとづいて算定するのか、の4点は、2本のお知らせのどちらにも書かれていない。誤りの可能性のお知らせは、参考としてインバランス料金情報公表ウェブサイトのURLを挙げている。
蓄電池BGが確認すべきこと
系統用蓄電池は、深夜の時間帯に充電することが多い。充電の計画と実績にずれがあれば、その差はインバランスとして精算される。前半の時間帯で単価が再算定されれば、この時間帯の充電にかかったコストが後から動くことになる。どれだけ動くかは、再算定の結果が出るまで分からない。
中部エリアのBGとして確かめておきたいことを、順に挙げる。
| # | 確かめること | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 | 9月18日22時30分から19日5時00分までの13コマで、自社に計画と実績の差が出ていたか | 2本のお知らせの時刻(コマ数は編集部の換算) |
| 2 | その13コマのインバランス量を、コマ別に控えておく | 編集部の整理 |
| 3 | 22時30分から1時30分の6コマは、再算定で単価が変わりうるものとして暫定の扱いにしておく | 誤りの可能性のお知らせ 項目1・3 |
| 4 | 1時30分から5時00分の7コマは、限界的なkWh価格を用いずに算定される期間として、公表される単価を確かめる | 中断のお知らせ 項目4 |
| 5 | 需給調整市場の取引は、影響なしとされていることを確認する | 中断のお知らせ 項目3 |
| 6 | 再算定の結果を、中部電力PGのお知らせとインバランス料金情報公表ウェブサイトで追う | 誤りの可能性のお知らせ(参考URL) |
一般送配電事業者がインバランス料金単価の誤りの可能性を知らせるのは、今回が初めてではない。2026年8月には北海道エリアでも、インバランス料金単価に誤りの可能性があるとの公表があり、BESS NEWSで取り上げた。公表済みの単価が後から直ることはある、という前提で収支を組んでおきたい。
再算定の時期は明記されていない。9月分の収支を締めるとき、この13コマは確定値と分けて管理しておくと、結果が出たときに差を拾いやすい。結果はインバランス料金情報公表ウェブサイトと中部電力PGのお知らせ一覧に出ると見られる。
よくある質問
編集部の見立て
- 2本のお知らせは別々の件名で出ているが、時刻でつなぐと9月18日22時30分から19日5時00分までの13コマが切れ目なく並ぶ。前半は再算定の可能性、後半は限界的なkWh価格を用いない期間と、精算への効き方は違う。それでもBGの側でやることは同じで、この範囲の自社のインバランス量を押さえておくことに尽きる。
- 広域需給調整の中断は1時17分に始まったが、限界的なkWh価格を用いない期間は1時30分からとされた。1時00分から1時30分のコマは、中断が始まった時刻を含みながら、前半の誤算定の可能性のある期間に入っている。再算定の結果が出たら、このコマの扱いを最初に見たい(編集部の読み)。
- 影響の大きさは、再算定の結果が出るまで分からない。深夜の充電で計画とのずれが大きかった事業者ほど、確定値を待ってから9月分の収支を締めるのが安全だ。
編集体制と事実確認プロセス
BESS NEWSの記事はこう作っています
- BESS NEWSは一次情報主義を採ります。官公庁・電力広域的運営推進機関・一般送配電事業者などが自ら公表した文書とページのみを出典とし、業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信の二次情報は出典に用いません。
- 本稿は、中部電力パワーグリッドの2026年9月24日付お知らせ2本のページと添付PDF(20260919-1.pdf・20260919-2.pdf、いずれも1ページ)を2026年10月4日に取得し、本文の時刻・原因・対応の記述をPDFの文言と1件ずつ突き合わせました。対照結果は「数値照合表」に示しました。
- 本稿は2026年9月24日のお知らせを受けて書いた記事で、同日までに公表された資料だけを根拠にしています。再算定の結果など、同日より後の情報は使っていません。2026年10月4日に記事の体裁を整えました。
- 時間幅とコマ数(6.5時間・13コマ、前半6コマ・後半7コマ)は、2本のPDFに書かれた時刻から編集部が換算したものです。2つの期間の区切り方の読み方と、BGが確かめることの整理は、一次情報の事実にもとづく編集部の解釈です。
数値照合表
本文に出した主要な数値と事実を、一次情報の該当箇所と1対1で対照した表である。
| # | 本文の数値・事実 | 一次情報の記載 | 出典(該当箇所) |
|---|---|---|---|
| 1 | お知らせの日付 2026年9月24日 | 両PDFの冒頭「2026 年 9 月 24 日」。お知らせページの掲載日「2026年09月24日」 | 20260919-2.pdf・20260919-1.pdf 冒頭 |
| 2 | 誤算定の可能性のある期間 9/18 22:30〜9/19 1:30 | 「2026 年 9 月 18 日(金)22 時 30 分 ~ 9 月 19 日(土)1 時 30 分」 | 20260919-2.pdf 項目1 |
| 3 | 対象は「調整力の限界的なkWh価格」 | 「インバランス料金単価の算定に用いる「調整力の限界的な kWh 価格」に誤りがある可能性」 | 20260919-2.pdf 本文 |
| 4 | 原因 中央給電指令所システムのトラブル | 「中央給電指令所システムのトラブル」 | 20260919-2.pdf 項目2・20260919-1.pdf 項目2 |
| 5 | 分析・妥当性評価ののち再算定 | 「分析・妥当性評価を行い、誤りが認められる期間の正しいデータを作成の上、インバランス料金単価の再算定を行います」 | 20260919-2.pdf 項目3 |
| 6 | 参考URL インバランス料金情報公表ウェブサイト | 「(参考) インバランス料金情報公表ウェブサイト https://www.imbalanceprices-cs.jp/」 | 20260919-2.pdf 末尾 |
| 7 | 中部エリアで広域需給調整が中断 | 「2026 年 9 月 19 日に中部エリアにて広域需給調整の中断が発生」 | 20260919-1.pdf 本文 |
| 8 | 中断期間 9/19 1:17〜4:48 | 「2026 年 9 月 19 日(土)1 時 17 分 ~ 4 時 48 分」 | 20260919-1.pdf 項目1 |
| 9 | 需給調整市場取引への影響 なし | 「3. 需給調整市場取引への影響 なし」 | 20260919-1.pdf 項目3 |
| 10 | 限界的なkWh価格を単価に用いない期間 9/19 1:30〜5:00 | 「調整力の限界的な kWh 価格がインバランス料金単価に用いられない期間 2026 年 9 月 19 日(土)1 時 30 分から 5 時 00 分」 | 20260919-1.pdf 項目4 |
| 11 | 通しで6.5時間・13コマ(前半6・後半7) | 上記 22:30〜1:30(3時間)と 1:30〜5:00(3.5時間)から編集部が30分単位で換算 | 20260919-2.pdf 項目1・20260919-1.pdf 項目4 |
出典(一次情報)
- 中部電力パワーグリッド「インバランス料金単価の算定に用いる「調整力の限界的なkWh価格」の誤りの可能性について」(2026年9月24日 掲載)
- 同 添付PDF(20260919-2.pdf)(2026年9月24日付。1ページ)
- 中部電力パワーグリッド「広域需給調整の中断について」(2026年9月24日 掲載)
- 同 添付PDF「広域需給調整の中断に関するお知らせ」(20260919-1.pdf)(2026年9月24日付。1ページ)
- インバランス料金情報公表ウェブサイト(20260919-2.pdf が参考として挙げたURL)
※二次情報(業界紙・ニュースサイト・プレスリリース配信)は出典に用いていません。出典2・4のPDFは、それぞれ出典1・3のお知らせページに添付されています。出典5は随時更新されるサイトで、本稿は2026年9月24日付のお知らせが参考として挙げたURLとして載せています。
出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/proffessional/4628903102001/
本記事は BESS media の転載条件(出典明記のうえ全文転載可)にもとづき転載しています。 記事内容の著作権は転載元に帰属します。