系統用蓄電池の用地書類、10月1日受付分から承諾後2か月以内に提出
契約申込みをいつ受け付けてもらったか。その日付が、用地の使用権原を証する書類の提出対象かどうかを分けます。電力広域的運営推進機関(OCCTO)の2026年9月版「発電設備等に関する系統アクセスの流れ」は、2026年10月1日以降に契約申込みを受け付けた案件について、連系承諾後、原則2か月以内の書類提出を示しました。高圧・特別高圧の系統用蓄電池を計画する開発・設計担当者は、申込みの受付日と承諾日を分けて管理する必要があります。東京電力パワーグリッド(東京電力PG)のFAQも、登記簿謄本や名義が異なる場合の追加書類を具体化しています。
CONTENTS目次
要点
- 適用対象を分ける日は2026年10月1日以降の契約申込み受付日。通常の提出期限は連系承諾後、原則2か月以内です。
- FIT・FIPを利用予定の電源は対象から除かれます。既に事業を行う用地での増強・更新・改修は、土地の追加取得を伴わないもの等が提出不要です。
- 東京電力PGでは、事業用地の全地番について登記簿謄本が必要です。名義が異なる場合は、賃貸借契約書の写しなども提出します。

対象の判定は受付日、期限の起算は連系承諾
使用権原とは、その土地を所有する権利や、賃貸借などにより使用できる権利です。今回の要件は、発電設備等を設置する用地について、その権利を示す書類を提出するものです。OCCTOの2026年9月版資料は、紙面15ページで対象と期限を整理しています。
読み分けるべき日付は二つあります。まず、対象になるのは「2026年10月1日以降に契約申込みを受け付けた」案件です。そして対象案件の提出期限は、原則として「連系承諾後2か月以内」です。10月1日以降に承諾されたという理由だけで、受付済み案件も一律に対象になるとは読めません。
東京電力PGのFAQ Q3も、9月30日までに契約受付済みの案件には、書類提出を受付の要件としないと明示しています。10月1日以降に受付となる対象案件は、連系承諾の時点で提出期限の管理を始めます。接続検討の申込日や回答日を、この契約受付日や承諾日の代わりに記録しないことも大切です。
実務では、受付を確認できる通知と連系承諾の通知を別々に保管し、案件台帳に対応する日付を残すと取り違えを防げます。期限の日付は、自社の便宜で日数に置き換えず、送配電事業者の通知・取扱いと照合してください。OCCTOの資料では、期限内に書類を提出しない場合、確定した連系予約を取り消すとしています。

FIT・FIP、既設変更、一括検討の扱いを分ける
FITは再生可能エネルギーの固定価格買取制度、FIPは市場での売電にプレミアムを交付する制度です。OCCTO資料は、これらを利用予定の電源を提出対象から除いています。独立した系統用蓄電池の新設案件では、自分の案件がこの除外に該当するとの前提を置かず、契約申込みの区分に沿って確認する必要があります。
もう一つの除外は、既設設備の変更です。既に事業を行う用地での増強・更新・改修には、書類提出が不要とされています。東京電力PGのFAQ Q9は、土地の追加取得を伴わない場合と、追加取得があっても出力増加などの系統影響が生じない場合を挙げています。「既設」という言葉だけで判断せず、申込用地と変更内容を確認し、除外の根拠を案件ごとに残してください。
一括検討プロセスの対象案件にも、この提出要件が適用されます。一括検討は、複数の接続希望案件をまとめて検討する仕組みです。その手続に参加していることを理由に、用地書類の準備を後回しにはできません。OCCTO資料の紙面37ページにも、使用権原書類の提出について記載されています。
開発担当と設計担当の間では、新設か既設変更かを言葉だけで引き継がず、申込図面に示す用地まで確認したいところです。設備配置が変わった場合は、用地の確認対象も変わるかを見直してください。これは編集部からの実務上の提案です。

東京電力PGでは全地番の登記簿謄本をそろえる
東京電力PGは9月18日の公式告知で、高圧・特別高圧の契約申込みに関する提出要件を案内しました。添付のFAQのQ5では、必要書類を土地の登記簿謄本(全部事項証明書)とし、事業用地の全地番分を求めています。
複数の筆にまたがる蓄電所では、代表となる地番の証明書だけを取得して終えると、対象用地を満たせません。申込図面に示す用地と地番の一覧を合わせ、取得した証明書に抜けがないか確認する作業が必要です。社内の通称や住所だけで管理せず、地番単位で照合することを勧めます。
さらに、権利者と申込者の名義が異なる場合は、賃貸借契約書の写し、または東京電力PGの書式による譲渡・賃貸証明書を追加提出する扱いです。賃貸借契約書を持っているから登記簿謄本は不要、という読み方はできません。申込者、登記上の権利者、使用を認める書類の関係を確認してください。
この書類の具体的な案内は東京電力PGのものです。他エリアでも同じ書式が使えるとは断定せず、案件を受け付ける事業者の案内を確認します。土地の交渉が進んでいるという社内説明と、提出できる書類がそろっていることは別です。用地担当から設計・申込担当へ、書類の取得状況まで引き継ぐと手戻りを減らせます。

期限延長は事業者の判断、FIT・FIP変更には別の起算
OCCTO資料は、合理的な理由により2か月以内の提出が難しいと認められる場合、一般送配電事業者または配電事業者が別途定める期間までとする扱いを示しています。申込者が自分で期限を延ばせる仕組みではありません。間に合わない事情があるときは、早めに窓口へ説明し、認められた期間を確認する必要があります。
東京電力PGの告知では、期限内に提出を確認できない申込みは契約要件を満たさないものとして、連系承諾と申込みを取り消されたものとし、連系予約も取り消すとしています。「書類は後から出せばよい」と進めることは避けたいところです。
また、通常の期限と混同しやすいのが東京電力PGのFAQ Q8です。FIT・FIPの利用予定を取りやめ、非FIT・非FIPへ変更する場合は、変更申込みの受付日から2か月以内が提出期限です。書類提出を求めるのは、工事着工までに変更する場合で、分割払いの初回支払いによる工事着工も含まれます。
この扱いを、通常案件にも「契約受付から2か月」と広げてはいけません。通常案件の連系承諾起算と、FIT・FIP変更案件の変更受付起算を、台帳上でも区別してください。変更を決めた担当から申込担当へ連絡する時点で、提出期限と必要書類を確認する運用が役立ちます。

よくある質問
10月1日以降に連系承諾が出れば、すべて対象ですか。適用を分ける基準は契約申込みの受付日です。OCCTO資料は、2026年10月1日以降に受付となる案件を対象としています。
通常案件の2か月は、接続検討の回答日から数えますか。原則として連系承諾後2か月以内です。接続検討の回答日や契約受付日と取り違えないでください。
一括検討の対象なら提出は不要ですか。不要にはなりません。OCCTO資料は、一括検討でも、非FIT・非FIP等の提出対象となる案件に要件を適用すると示しています。
賃貸借契約書があれば、登記簿謄本はいりませんか。東京電力PGのFAQでは、全地番分の登記簿謄本が必要です。権利者と申込者の名義が異なる場合、賃貸借契約書の写しなどを追加します。
用地交渉が遅れれば、提出期限は自動的に延びますか。自動延長とはされていません。合理的な理由が認められる場合に、一般送配電事業者または配電事業者が別途期間を定める扱いです。
FIT・FIPの利用を取りやめる場合も、連系承諾が起算ですか。東京電力PGのFAQ Q8では、工事着工までに非FIT・非FIPへ変更する場合、変更申込みの受付日から2か月以内です。通常案件とは起算が異なります。
編集部の見立て
開発・設計担当が先に整えたいのは、用地を「確保済み」と表示する社内ラベルより、提出書類に抜けがないかを確かめる手順です。権利交渉が済んでいても、全地番の登記簿謄本や名義が異なる場合の書類がそろわなければ、提出準備は終わりません。
設備配置の変更やFIT・FIP利用予定の変更は、提出対象や起算の再確認につながります。案件台帳に受付日、承諾日、地番一覧、書類の不足、提出期限を残し、変更が起きたら誰が確認するか決めておく。設計と用地交渉を並行して進める案件ほど、この受け渡しが効くと考えます。

数値照合表
| 本文の数値・日付 | 一次情報での位置づけ | 出典・該当箇所 |
|---|---|---|
| 2026年9月 | 表紙に記載された版年月。2026年9月版の識別は取得対象URLによる | OCCTO資料・表紙 |
| 2026年10月1日以降 | 契約申込み受付を基準にした適用対象 | OCCTO資料・紙面15、PDF16ページ |
| 原則2か月以内 | 通常案件は連系承諾後の提出期限 | OCCTO資料・紙面15、PDF16ページ |
| 2026年9月18日 | 東京電力PGの告知公表日 | 東京電力PG公式告知 |
| Q5、FAQ1ページ | 全地番の登記簿謄本、名義相違時の追加書類 | 東京電力PG FAQ |
| Q8、FAQ2ページ、2か月以内 | FIT・FIP取りやめに伴う変更は変更申込み受付日起算 | 東京電力PG FAQ |
| 紙面37、PDF38ページ | 一括検討プロセスにも提出要件を適用 | OCCTO資料 |
出典(一次情報)
- 電力広域的運営推進機関「発電設備等に関する系統アクセスの流れ」2026年9月版
- 東京電力パワーグリッド「【高圧・特別高圧】契約申込における事業用地の使用権原を証する書類提出の要件化について」2026年9月18日
- 東京電力パワーグリッド「事業用地の使用権原を証する書類提出の要件化に関するFAQ」
編集方針
制度の説明は上記の一次資料に基づき、日付と数値を該当箇所に対応させています。東京電力PGの書類案内を全国共通の書式とは扱わず、実務上の提案は編集部の判断として記載しています。
出典: BESS media(株式会社エコ革)
https://bessnews.jp/institutional/standard/4629402102001/
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